イスラエル軍、ガザ中南部で地上作戦再開 緩衝地帯設置が目的

イスラエル軍は19日、パレスチナ自治区ガザの中部と南部で地上作戦を再開したと発表した。写真はガザ地区南部で同日撮影(2025年 ロイター/Hatem Khaled)
Nidal al-Mughrabi
[カイロ 19日 ロイター] - イスラエル軍は19日、パレスチナ自治区ガザの中部と南部で地上作戦を再開したと発表した。空爆も継続し、現地の医療関係者によると、少なくとも48人が死亡した。
イスラエル軍は地上について、ガザを南北に隔てる「ネツァリム回廊」の支配を拡大するもので、ガザ北部と南部の間に部分的な緩衝地帯を設けることを目的とした「標的を絞った」ものとしている。
イスラエル軍は18日未明、イスラム組織ハマスとの停戦合意の延長交渉が膠着する中、ガザ地区に対する大規模な攻撃を実施。イスラエルのネタニヤフ首相は同日、ガザで再開した攻撃はまだ始まりにすぎないと述べていた。
イスラム組織ハマスは、地上作戦とネツァリム回廊への侵入は1月に結んだ停戦合意に対する「新たな危険な違反」だと批判。合意を順守するを意向を示すとともに、仲介国に「責任を果たす」よう求めた。
米国務省はイスラエルの攻撃再開はハマス側に要因があるとしている。同省報道官は、米国が提示した停戦延長と残る人質の解放に向けた「つなぎ」案を受け入れる「機会はまだあるが、急速に閉ざされつつある」と述べ、イスラエルを支持する立場を強調した。