ニュース速報
ワールド

ガザ停戦決議案を否決、国連安保理 米が拒否権行使、英は棄権

2023年12月09日(土)07時21分

国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの紛争について、人道的な即時停戦を求める決議案を採決したが、米国が拒否権を行使し否決された。写真は12月8日、ニューヨークの国連本部で開かれた国連安全保障理事会(2023年 ロイター/David Dee Delgado)

Michelle Nichols

[国連 8日 ロイター] - 国連安全保障理事会は8日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルとイスラム組織ハマスの紛争について、人道的な即時停戦を求める決議案を採決したが、米国が拒否権を行使し否決された。

決議案はアラブ首長国連邦(UAE)が策定。15カ国の理事国のうち13カ国が賛成、英国は棄権した。

UAEのモハメド・アブシャハブ国連代理大使は理事会に対し「ガザへの容赦ない砲撃を止めるという呼びかけの下で団結できないのなら、われわれがパレスチナ人に送るメッセージは何なのか」と問いかけた。

米国とイスラエルは、停戦はハマスに利益をもたらすだけだとして停戦に反対している。

米国のロバート・ウッド国連代理大使は理事会に対し、決議案は「現実から乖離した」アンバランスな内容であり、「いかなる具体的な方法でも現場の針を前進させるものではない」と指摘。「米国はイスラエル人とパレスチナ人の双方が平和で安全に暮らせる永続的な平和を強く支持しているが、次の戦争の種を植えるだけの持続不可能な停戦を求めるこの決議案を支持しない」とした。

米国は10月7日にハマスが行ったイスラエルへの大規模攻撃を非難する内容を含め、決議案の大幅な修正を提案していた。

英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は、ハマスを非難する内容が含まれていないため英国は棄権したと言及。「イスラエルはハマスによる脅威への対処が可能である必要があり、このような攻撃が二度と行われないよう国際人道法を順守した方法で対処する必要がある」とした。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

パキスタンとアフガン、即時停戦に合意

ワールド

台湾国民党、新主席に鄭麗文氏 防衛費増額に反対

ビジネス

テスラ・ネットフリックス決算やCPIに注目=今週の

ワールド

米財務長官、中国副首相とマレーシアで会談へ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人と参政党
特集:日本人と参政党
2025年10月21日号(10/15発売)

怒れる日本が生んだ「日本人ファースト」と参政党現象。その源泉にルポと神谷代表インタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「実は避けるべき」一品とは?
  • 4
    ニッポン停滞の証か...トヨタの賭ける「未来」が関心…
  • 5
    ギザギザした「不思議な形の耳」をした男性...「みん…
  • 6
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 7
    自重筋トレの王者「マッスルアップ」とは?...瞬発力…
  • 8
    「中国は危険」から「中国かっこいい」へ──ベトナム…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【インタビュー】参政党・神谷代表が「必ず起こる」…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以外の「2つの隠れた要因」が代謝を狂わせていた
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 5
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 6
    中国人が便利な「調理済み食品」を嫌うトホホな理由…
  • 7
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 8
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 9
    「欧州最大の企業」がデンマークで生まれたワケ...奇…
  • 10
    イーロン・マスク、新構想「Macrohard」でマイクロソ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に...「少々、お控えくださって?」
  • 4
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中