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南ア中銀、金利据え置き 財政悪化による物価リスク指摘

南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は21日の会合で、主要政策金利のレポ金利を8.25%に据え置くと決定した。1月26日撮影(2023年 ロイター/Siphiwe Sibeko)
[プレトリア 21日 ロイター] - 南アフリカ準備銀行(SARB、中央銀行)は21日の会合で、主要政策金利のレポ金利を8.25%に据え置くと決定した。据え置きは2会合連続。ただ、中銀は財政悪化で物価上昇圧力が助長されるリスクがあると指摘した。
ロイターが実施した調査では、ほぼ全てのアナリストが据え置きを予想していた。
ハニャホ中銀総裁は記者会見で、インフレ率は低下しているものの、国債利回りが上昇する中、財政運営を巡る問題で南アのリスクプレミアムが押し上げられていると指摘。「財政基盤の悪化でカントリーリスク・プレミアムが上昇し、金融政策が制約的かどうかを判断する金利水準が引き上がる」と述べた。
市場では、ハニャホ総裁の財政問題を巡る見解を含め、タカ派的な姿勢は予想外だったと受け止められている。
スタンダード・チャータードのアフリカ・中東担当チーフエコノミスト、ラジア・カーン氏は「中銀の次の動きを占うにあたり、財政リスクが新たな大きな注目点として台頭した」と指摘。11月1日に財務相が発表する中期予算に注目が集まると述べた。
ハニャホ総裁はこのほか、2024年に食料価格の上昇が加速するリスクがあるとし、インフレ見通しに対する上振れリスクがあると評価されたと指摘。エネルギー供給が持続的に増加していないことで、電力価格が引き続きインフレリスクにつながるとの見方も示した。
中銀の金融政策委員会(MPC)は、利下げを検討する前に、インフレ率が目標レンジ(3─6%)の中間近辺にとどまっていることを確認する必要があるとしている。
ハニャホ総裁は、リスクを踏まえ、利下げ開始の時期を明確に示すことは控えた。
エコノミストは、中銀は24年上半期に利下げに着手すると予想している。
南アフリカ統計局が20日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は前年比上昇率が4.8%と、7月の4.7%から小幅に加速した。コアインフレ率は前年比4.8%。7月は4.7%だった。