ニュース速報

ワールド

オバマケア代替案、米政権が共和党保守派の支持獲得に向け前進

2017年03月23日(木)12時30分

 3月22日、トランプ米政権と共和党幹部は、米医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案の23日採決に向けた話し合いを続け、法案の修正を求めていた党保守派の支持取り付けに向け前進していることを明らかにした。写真中央は「ハウス・フリーダム・コーカス」を率いるメドウズ議員。7日、米連邦議事会議事堂での記者会見で撮影(2017年 ロイター/Eric Thayer)

[ワシントン 22日 ロイター] - トランプ米政権と共和党幹部は22日、米医療保険制度改革(オバマケア)改廃法案の23日採決に向けた話し合いを続け、法案の修正を求めていた党保守派の支持取り付けに向け前進していることを明らかにした。

米共和党の保守派下院議員で構成する「ハウス・フリーダム・コーカス」のメンバーは、ホワイトハウスから妥協を引き出す可能性を探り交渉していると述べた。

同グループを率いるメドウズ議員は記者団に対し「大きな進展を遂げている」とし、「まだ到達していないが、希望を抱いている」と語った。

同議員は、下院共和党が法案への支持獲得に向けて落としどころを見出すことは可能だとし、「今からあすの昼(1600GMT)まで休みなく働けば、うまく行けば一定の共通点を見出すことができるだろう」と述べた。

メドウズ氏のグループはこれまで、下院共和党の法案について、オバマケアと大差ない内容だとして反対し、一時は23日の採決での通過を阻止する意向を示していた。

22日午前にトランプ大統領と面会した議員の1人である保守派のスティーブ・キング下院議員は、オバマケアで導入された手当てに関してトランプ氏が上院での法案修正を公に支持することを確約したとして、下院採決で賛成票を投じる考えを表明。共和党のマコネル上院院内総務が修正案を提示するとの見方を示した。マコネル院内総務の報道官のコメントは得られていない。

フリーダム・コーカスの関係者はこの日、改廃法案に反対の議員が25人以上いると明らかにしていた。共和党から約20人の造反者が出れば法案は否決される。

ホワイトハウスのサンダース報道官も22日夜、協議が進展していることを示唆した。報道官は「われわれは引き続き前進しており、徐々に支持者を増やしている」と述べ、「法案をより優れた内容にし、支持を広げるような修正には前向きだ」との立場を示した。

ただ、仮に保守派が支持に回ったとしても、下院での可決にはなお課題が残る。改廃法案に対し、共和党穏健派の間からは、無保険の国民が増えることへの反発を招く恐れがあるとして懸念の声が上がっている。

法案が下院を通過すれば、来週にも上院で審議が行われる可能性がある。共和党幹部は、上院での可決がスムーズに進めば、4月半ばまでに下院で再び採決を行い、復活祭の日曜日に当たる4月16日までに大統領の署名を経て成立させることも可能だとみている。

*内容を追加しました。

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米中関係の「マイナス要因」なお蓄積と中国外相、米国

ビジネス

デンソーの今期営業益予想87%増、政策保有株は全株

ワールド

トランプ氏、大学生のガザ攻撃反対は「とてつもないヘ

ビジネス

米メルク、通期業績予想を上方修正 抗がん剤キイト
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 7

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中