ニュース速報
ビジネス

再送ファーストリテ、26年8月期も最高益予想 海外で増収益続く

2025年10月09日(木)18時09分

 10月9日、ファーストリテイリングは、2026年8月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比0.5%増の4350億円になるとの見通しを発表した。写真は2023年1月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

(漢字の変換ミスを修正しました)

Kentaro Okasaka

[東京 9日 ロイター] - ファーストリテイリングは9日、2026年8月期の連結純利益(国際会計基準)が前年比0.5%増の4350億円と過去最高になるとの見通しを発表した。IBESがまとめたアナリスト15人の予想平均値4280億円を上回った。

国内のユニクロ事業は、売上高に当たる売上収益は若干の増収、事業利益は前年並みを見込んだ。円安による調達コスト増や人件費、物流費の上昇を織り込んだ。既存店売上高は約3%増を見込む。

海外事業は、中国大陸・香港・台湾で構成する「グレーターチャイナ」で増収増益を見込む。北米と欧州では大幅な増収増益の見通し。北米は、追加関税の影響が上期でやや大きく、上期は大幅な増収となるものの事業利益は1桁の増益にとどまり、下期で大幅な増収増益を見込んだ。通期の想定為替レートは1ドル=148.0円。

柳井正会長兼社長は決算会見で、米関税政策について「関税をかけるということはある意味対立で、下手したら戦争につながるかもしれない。あんまりいいことではない」と批判。「個人と企業が自由に行き来できる全世界でないといけないのではないか」と述べた。

同社は、取締役の定員を現行の10人以内から15人以内に変更することを11月開催予定の定時株主総会に付議すると発表した。経営体制の強化およびガバナンス体制の充実を図る狙い。柳井氏は、現在の取締役は年代の高い男性が多いとして「自分がその典型だが、やはり女性で若い人たちが入ってこないといけない」と語り、次世代の人材が入って活躍できる状況を作りたいと説明した。

柳井氏の息子2人が現在、取締役となっていることについては「最初から経営者にしない、株主として会社のガバナンスをやってもらいたいと言っている。そのようにやっていきたい」と語った。

25年8月期(前期)の連結決算は、純利益が前年比16.4%増の4330億円、売上収益は同9.6%増の3兆4005億円だった。国内ユニクロ事業は売上収益が初めて1兆円を超えた。気温に対応した商売の組み立てやマーケティング戦略が奏功したとしている。米国では、商品価格見直しや値引き率改善、経費管理強化で追加関税コストを吸収し、関税影響が出始めた25年6-8月期も大幅な増収増益と好調だった。グレーターチャイナは消費意欲低下などの影響で大幅な減益となった。

25年8月期の年間配当予想を480円から500円に引き上げた。26年8月期はこれを上回る520円を予想している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

再送-日本の大手金融5社首脳、国債格下げリスク「当

ビジネス

再送ファーストリテ、26年8月期も最高益予想 海外

ワールド

タイ、米国と貿易ルール交渉 年末までに最終決定=商

ビジネス

アングル:長短金利差の拡大取引、日米欧で再開か 財
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:中国EVと未来戦争
特集:中国EVと未来戦争
2025年10月14日号(10/ 7発売)

バッテリーやセンサーなど電気自動車の技術で今や世界をリードする中国が、戦争でもアメリカに勝つ日

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    ウクライナの英雄、ロシアの難敵──アゾフ旅団はなぜ「過激派」から「精鋭」へと変わったのか?
  • 3
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示す新たなグレーゾーン戦略
  • 4
    ヒゲワシの巣で「貴重なお宝」を次々発見...700年前…
  • 5
    トイレ練習中の2歳の娘が「被疑者」に...検察官の女…
  • 6
    インフレで4割が「貯蓄ゼロ」、ゴールドマン・サック…
  • 7
    【クイズ】イタリアではない?...世界で最も「ニンニ…
  • 8
    「それって、死体?...」新婚旅行中の男性のビデオに…
  • 9
    あなたは何型に当てはまる?「5つの睡眠タイプ」で記…
  • 10
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 1
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 2
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 3
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最悪」の下落リスク
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    赤ちゃんの「耳」に不思議な特徴...写真をSNS投稿す…
  • 6
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
  • 7
    祖母の遺産は「2000体のアレ」だった...強迫的なコレ…
  • 8
    ロシア「影の船団」が動く──拿捕されたタンカーが示…
  • 9
    更年期を快適に──筋トレで得られる心と体の4大効果
  • 10
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 1
    「最悪」「悪夢だ」 飛行機内で眠っていた女性が撮影...目覚めた時の「信じがたい光景」に驚きの声
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ…
  • 5
    カミラ王妃のキャサリン妃への「いら立ち」が話題に.…
  • 6
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 7
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 8
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 9
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 10
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中