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世界インフレ動向はまちまち、関税の影響にばらつき=IMF報道官

2025年10月03日(金)05時40分

国際通貨基金(IMF)の広報担当者のジュリー・コザック氏は2日、世界的なインフレ動向はまちまちな様相を呈しているとの認識を示した。2024年11月、ワシントンのIMF本部で撮影(2025年 ロイター/Benoit Tessier)

David Lawder

[ワシントン 2日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)の広報担当者のジュリー・コザック氏は2日、世界的なインフレ動向はまちまちな様相を呈しているとの認識を示した。米国など関税を引き上げた国の企業がこれまでのところ関税による価格上昇分の大半を吸収している一方で、中国など主要輸出国では需要が依然として抑制されているとした。

コザック氏は定例記者会見で、関税を巡る不確実性に直面する中、世界経済は耐性を示しており、「今年前半の世界経済成長は安定を維持したと見ている」と指摘。ただ、「現在、世界的に減速の兆候が見え始めている」と述べた。

関税措置の一部が値上げという形で転嫁され、米国ではコアインフレ率が押し上げられているほか、英国、オーストラリア、インドでは総合インフレ率の上昇が加速している一方、中国などのアジア諸国では、関税が輸出需要に与える影響を反映し、インフレ圧力は「非常に抑制されている」とし、「世界的に見るとインフレの状況はややばらつきがある」と述べた。

また、米国では企業が関税の影響をある程度吸収していることが、インフレに与える影響が今のところ比較的限定的である一因となっているとした上で、「この状況が今後どのくらい続くかは疑問だ」と述べた。

IMFは今月14日に最新の世界経済見通しを発表する。また、今月下旬には米ワシントンでIMF・世界銀行の年次総会が開催される。

ロイター
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