マクロスコープ:年内の利上げ観測揺さぶりも、政治情勢がかく乱

石破茂首相(自民党総裁)は9月7日、参院選敗北に伴う総裁選の前倒し判断に先立ち、辞任を表明した。写真は7日の記者会見で代表撮影(2025年 ロイター)
Takaya Yamaguchi Kentaro Sugiyama
[東京 8日 ロイター] - 石破茂首相(自民党総裁)は7日、参院選敗北に伴う総裁選の前倒し判断に先立ち、辞任を表明した。ただ、党の顔が変わっても不安定な政治情勢を打開できるかは見通せず、新政権の思惑に沿った経済政策を進められるかは不透明感が漂う。リフレ的な政策を訴える野党の声が、年内の利上げ観測に揺さぶりをかける展開も予想される。
<退陣表明も残る不安>
「辞任を経ても、なお変数が多い。何も変わらない前提で備えるしかない」。先行きの経済政策を巡り、経済官庁幹部の1人はこう語る。
総裁選前倒しの是非を問う議員投票が予定された8日に先立ち、首相は、党の分裂は避けるべきだと辞任を表明。「新総裁が選ばれるまで果たすべき責任を果たし、新総裁にその先を託す」と語った。近く総裁選を実施し、新総裁を選出する運びだ。
とはいえ、衆参ともに少数与党という政治情勢の打開には、依然として距離がある。
総裁選では、小泉進次郎農相や高市早苗前経済安全保障担当相、林芳正官房長官らを推す声があるが、衆参とも少数与党下では、首相指名選挙で選出されるかも決め打ちできない。連立構想も宙に浮いたままで「野党の協力を得ながら綱渡りの政権運営が続く」(別の関係者)との声が残る。
<賃上げ定着は道半ば>
石破政権は、物価高に負けない賃上げ環境を整備することを目指していた。「潜在成長率を倍増させ、名目3%成長を実現することで物価2%との差が可処分所得につながる」と、前出と別の政府関係者は振り返る。
石破政権として、6月に初めてまとめた経済・財政運営の指針(骨太方針)では、賃上げを起点に成長型経済に移行する新たな考えを打ち出した。ただ、マクロ政策面では「岸田文雄前政権の時から基本的な考えに変わりなく、今後も踏襲されていくだろう」と、前出の関係者は言う。
石破首相は7日の記者会見で「物価上昇を上回る賃金上昇を定着させるには、さらに取り組みを加速させる必要がある」と述べた。
近く策定する経済対策では、補正予算の編成を伴う物価高対策が打ち出される見通しだが、閣僚経験者からは「(利上げによる)円安反転が一番の物価高対策」との声も漏れる。
<円高進行なら二重苦>
もっとも政権基盤がぜい弱なうちは、思惑通りに政策を進められるかは見通せない。野党からは減税を伴う積極財政や、拙速な利上げに慎重な対応を求める声が聞かれる。
野党の勢いに引っ張られる形で「目下の関心事は減税の落としどころをどう付けるか」だと、経済官庁幹部の1人は語る。
年末にかけては、米連邦準備理事会(FRB)の連続利下げ観測に伴う円高進行も予想され、日銀の追加利上げを巡り、政府内には「為替がそれなりに円安で、株価が堅調に推移し、インフレ率も下がっていないという条件がそろわなければ動きづらいだろう」(前出の幹部)との声もある。
想定以上の円高に振れれば、輸出産業は関税負担との二重苦に見舞われる。「米国の利下げと日銀の利上げが重なれば、景気への影響は甚大」(野党中堅)との声に押され、年内の利上げ観測が揺らぐ場面もありそうだ。
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