米イーライリリー、肥満症治療薬を英国で170%値上げへ

8月14日、米医薬品大手イーライリリーは、肥満症治療薬「マンジャロ」の英国での公定価格を最大170%引き上げると発表した。写真は「マンジャロ」の箱。2023年3月、ユタ州のプロボで撮影(2025年 ロイター/George Frey)
Maggie Fick
[シアトル 14日 ロイター] - 米医薬品大手イーライリリーは14日、肥満症治療薬「マンジャロ」の英国での公定価格を最大170%引き上げると発表した。トランプ政権が米国での薬価引き下げを可能にするため、製薬会社に欧州での値上げを迫っていることが背景。
新たな価格は同名の2型糖尿病治療薬にも適用され、9月に発効する。最高用量の1カ月分の薬価は122ポンドから330ポンドへの値上げとなる。
同社の広報担当者によると、この値上げは個人で購入する患者には影響するが、英国の公的医療制度で処方されている患者には影響しないという。
同社は英国でマンジャロを発売した際、英国民保健サービス(NHS)を通じた供給の遅れを防ぐため、他の3つの欧州市場での薬価を「大幅に下回る」価格で合意したと指摘。「われわれは現在、薬価をより一貫性のあるものに調整している」と述べた。
米国の処方薬支出は世界最大で、他の先進国の3倍近くに上ることもある。トランプ大統領は米国民が搾取されているとして、この格差を縮めたいとしている。