米パラマウント、映画制作倍増へ ケーブルTV網は維持

8月13日、米メディア大手パラマウント・グローバルは映画制作会社スカイダンス・メディアとの84億ドル規模の合併完了を受け、今後の事業戦略を発表した。写真はパラマウントのロゴと建物。ロサンゼルスで5日撮影(2025年 ロイター/Mike Blake)
Dawn Chmielewski
[ロサンゼルス 13日 ロイター] - 米メディア大手パラマウント・グローバルは13日、映画制作会社スカイダンス・メディアとの84億ドル規模の合併完了を受け、今後の事業戦略を発表した。
主力ブランドの「ニコロデオン」「MTV」「BET」といったケーブルテレビチャンネルを維持・発展させる一方、映画制作本数を大幅に増やす。
ジェフ・シェル社長は「ケーブルテレビ網を、売却したり何らかの形で処分したりする必要のある衰退した資産とは考えていない」とし「再定義すべきブランドだと考えている」と語った。
テレビメディア部門のジョージ・チークス会長は、ケーブルテレビ事業が「非常に厳しいビジネスであることは間違いない」としながらも、同社の保有するコンテンツには「ストリーミングの世界で成功する可能性が十分にある」と述べた
パラマウント・ピクチャーズのジョシュ・グリーンスタイン共同会長は、年間の映画制作本数を「早急に」今年の8本から15本に増やし、最終的には年間20本の公開を目指すと述べた。
今後制作される映画には「スタートレック」や「トランスフォーマー」といった人気シリーズの続編に加え、新たに獲得したティモシー・シャラメ主演のジェームズ・マンゴールド監督作品「ハイ・サイド」などの新作も含まれる予定だ。
また「ナイトミュージアム」や「グーニーズ」のような家族向けの作品の制作も検討していくという。
デービッド・エリソン会長兼最高経営責任者(CEO)は、パラマウントを優れた才能を持つ映画制作者の安息の地にすることが目標だと表明。人工知能(AI)などの新興技術はストーリーテリングを強化するツールになると見方を示した。
同会長は米オラクルの共同創業者ラリー・エリソン氏の息子。