ドイツ鉱工業受注、6月-1%で予想外の減少 ユーロ圏外が低迷

ドイツ連邦統計庁が6日発表した6月の鉱工業受注は、季節・日数調整後で前月比1%減少し、予想に反してマイナスとなった。2022年のBASF独工場での代表撮影(2025年 ロイター)
Miranda Murray
[ベルリン 6日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が6日発表した6月の鉱工業受注は、季節・日数調整後で前月比1%減少し、予想に反してマイナスとなった。
2カ月連続の減少。国外の需要減退が要因で、関税引き上げによる対米輸出の影響でこの傾向は続く見通しだ。
ロイター調査によるエコノミスト予想は1.0%増、5月は1.4%減から0.8%減に上方修正された。
国外からの受注は前月比3.0%減、国内は2.2%増加した。ユーロ圏外からは7.8%減少したが、ユーロ圏域内からは5.2%増加した。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ヴィンセント・スタマー氏は「ユーロ圏外からの受注減が顕著で、米国の関税が影響している可能性がある。受注好転はかなり先ということを意味している」と述べた。
経済省は、貿易と地政学的な不確実性が高いことを考えれば、今後の受注が大きく変動するのは意外ではないと指摘。「対米輸出関税の恒久的引き上げが見込まれることから、鉱工業部門は今後、外需低迷に見舞われる可能性が高い」との見方を示した。
6月の減少は、航空機、船舶、鉄道、軍用車両などのその他輸送機器が23.1%減少が主因。自動車部門や金属製品製造部門も減少した。
変動の激しい大口受注を除外したベースでは前月比0.5%増。
変動が緩やかな3ヵ月ベースの比較では、4ー6月は3.1%増となった。