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NY外為市場=ドル下落、関税交渉に注目 円は参院選受け続伸  

2025年07月23日(水)05時48分

ニューヨーク外為市場では、薄商いの中ドルが下落した。ニューヨーク外為市場では、薄商いの中ドルが下落した。2023年3月撮影(2025年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 22日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、薄商いの中ドルが下落した。トランプ米政権が8月1日に設定している関税措置の猶予期限が迫る中、市場は米国が貿易相手国・地域と行っている交渉に注目している。

主要通貨の中で、前日に続き円が対ドルで目立って上昇。週末の参議院選挙の結果はすでに消化され、市場の関心は石破茂首相の今後の政権運営のほか、米国との関税交渉の行方に移っている。

終盤の取引でドル/円は0.5%安の146.54円。前日はドルは対円で約1%下落していた。

米政府が貿易相手国・地域と進めている関税交渉についてベセント米財務長官は21日、タイミングよりも質を重視しているとし、日本については、日本の国内政治よりも米国民にとって最良の取引を得ることに関心があると言及。この日は、日本との貿易交渉は「順調に進んでいる」とし、すぐに何らかの打開に達しても驚かないと述べた。

主要通貨に対するドル指数0.3%安の97.545。前日は約0.6%下落していた。

ユーロ/ドルは0.2%高の1.1725ドル。24日には欧州中央銀行(ECB)が理事会を開くが、今回の会合で金利は据え置かれるとの見方が大勢となっている。

コーペイ(トロント)のチーフ・マーケット・ストラテジスト、カール・シャモッタ氏は「月初に見られたドルの回復は失速しつつあり、ユーロはECB理事会を控えほぼ横ばい。円は予想ほど悪くなかった参院選の結果を受けて上げ幅を維持している」と指摘。「経済指標がそれほど多く発表されていない静かな環境の中で、狭いレンジでの取引になっている」と述べた。

トランプ米大統領はこの日、利下げを行っていないとしてパウエル連邦準備理事会(FRB)議長を改めて非難。「パウエル氏は悪い仕事をしたと思う。しかし、もうすぐ辞めるだろう。8カ月以内に辞めるだろう」と述べた。FRBの独立性に対する懸念が高まっていることも、市場心理の重しになっている。

シュワブのシニア債券ストラテジスト、キャシー・ジョーンズ氏は「FRBの政策を批判するのは構わないが、大統領の意向に従わないという理由でFRB議長を辞任に追い込むのは行き過ぎている」と指摘。「パウエル議長が政権の意向に従う人物に交代させられれば、ドル安のほか、長期金利の大幅な上昇を招く可能性が高い」と述べた。

ドル/円 NY午後4時 146.55/146.58

始値 147.53

高値 147.56

安値 146.32

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1751/1.1752

始値 1.1701

高値 1.1760

安値 1.1680

ロイター
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