午前のドルは147円半ばで売買交錯、参院選後の取引一巡 対米交渉が次の焦点

7月22日、午前のドルは147円半ばを中心に売買が交錯した。参議院選挙に絡む取引は一巡し、日本に対する相互関税の引き上げが迫る中で市場の焦点は対米交渉に移りつつある。ベセント財務長官と赤沢経済再生相、大阪・関西万博のイベントで19日撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)
Atsuko Aoyama
[東京 22日 ロイター] - 午前のドルは147円半ばを中心に売買が交錯した。自民・公明両党が過半数割れとなった参議院選挙に絡む取引は一巡し、日本に対する米相互関税の引き上げが8月1日に迫る中で市場の焦点は対米交渉に移りつつある。
147円前半で朝方の取引を開始したドルは、徐々に買いが強まり、一時147.70円まで上値を伸ばした。買いは続かず、その後は147円半ばを上下する展開が続いた。
前日は参院選を受けて海外勢を中心に円が買い戻されたものの、きょうの東京時間は仲値公示でも需要に大きな偏りはなく、「参院選に絡む取引は一巡」(国内銀行の為替ディーラー)したとの声が聞かれた。
前日はインフレ数値が低ければ利下げをすべきとのベセント米財務長官の発言が報じられたことやパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長解任に向けた動きなどを背景に、米金利が低下。金利低下に伴うドル安圧力が、ドル/円相場を下押している面もあるという。
あおぞら銀行チーフ・マーケット・ストラテジストの諸我晃氏は、参院選は事前予想ほど大敗はしておらず石破茂首相が続投を表明したため、「過度な円安ポジションが巻き戻された」と指摘する。一方、衆参両院で少数与党となり、財政支出拡大への圧力は残るため「まだ円高には行きづらい」との見方を示す。
諸我氏は、首相交代の可能性について「衆院を解散して選挙に勝てそうなタイミングでないと石破氏の交代は難しい」とし、少なくとも米国との関税交渉の行方を見極める必要があるのではないかと話している。