ニュース速報
ビジネス

「ゼロ金利の再来は依然現実的」、米NY・SF連銀が報告書

2025年07月08日(火)05時43分

ニューヨークとサンフランシスコの両連銀が共同で7日発表した報告書で、米連邦準備理事会(FRB)が今後数年のうちに再び短期金利の目標をゼロ付近に設定する見通しは依然として現実的との見方が示された。(2025年 ロイター/Jason Reed)

[7日 ロイター] - ニューヨークとサンフランシスコの両連銀が共同で7日発表した報告書で、米連邦準備理事会(FRB)が今後数年のうちに再び短期金利の目標をゼロ付近に設定する見通しは依然として現実的との見方が示された。

報告書は、FRBの金利目標が超低水準に戻るという中長期的なリスクは「現在、過去15年間で観測されたレンジの下限にある」と指摘しながらも、ゼロ金利近辺への回帰の可能性は「最近の不確実性の高まりにより、中長期的には依然として大きい」とした。

フェデラルファンド(FF)金利がほぼゼロとなったのは、経済不安が高まった時だ。FRBは、2008年の金融危機発生から2015年後半まで、短期金利目標をこの水準に設定。2020年3月に新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)により再びこの水準にとどめた。その後、数十年で最悪のインフレ率に対処するため、2022年春から積極的に金利を引き上げ始めた経緯がある。

ここ数年、FRBは新たな局面を迎えている。パンデミックに起因する高水準のインフレは大幅に緩和したが、FRBは現在、FF金利の誘導目標を4.25─4.5%に設定している。これは依然として比較的高い水準となる。

金利デリバティブ分析に基づくこの報告書は、現在のバッファーをもってしても金利見通しは複雑だと指摘している。「ゼロ金利近辺となるリスクは、予想される金利水準の上昇とともに低下する傾向があり、金利の不確実性が高まるにつれて上昇する傾向がある」と記している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

BRICS、新興国の温室ガス排出削減に先進国の資金

ワールド

トランプ米大統領が日本に25%関税を通知した書簡全

ワールド

米民主上院トップ、気象局の調査要請 人員減が洪水対

ワールド

ルビオ米国務長官、初のアジア訪問へ トランプ氏関税
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:大森元貴「言葉の力」
特集:大森元貴「言葉の力」
2025年7月15日号(7/ 8発売)

時代を映すアーティスト・大森元貴の「言葉の力」の源泉にロングインタビューで迫る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に...「曾祖母エリザベス女王の生き写し」
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 5
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコ…
  • 6
    米テキサス州洪水「大規模災害宣言」...被害の陰に「…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 9
    新党「アメリカ党」結成を発表したマスクは、トラン…
  • 10
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 1
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 2
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 3
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸せ映像に「それどころじゃない光景」が映り込んでしまう
  • 4
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 5
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 6
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 7
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 8
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」…
  • 9
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 10
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 7
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 8
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 9
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 10
    イランを奇襲した米B2ステルス機の謎...搭乗した専門…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中