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先行きも「これまで同様に利上げが適当」と何人かの委員=日銀5月会合要旨

2025年06月20日(金)10時37分

日銀が4月30日─5月1日に開いた金融政策決定会合では、最新の展望リポートでもなお先行き2%の物価目標が実現する姿になっていることを踏まえれば「方向としては、これまで同様、政策金利を引き上げていくのが適当だ」との認識を何人かの委員が示していたことが分かった。写真は1月23日、東京で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

Takahiko Wada

[東京 20日 ロイター] - 日銀が4月30日─5月1日に開いた金融政策決定会合では、最新の展望リポートでもなお先行き2%の物価目標が実現する姿になっていることを踏まえれば「方向としては、これまで同様、政策金利を引き上げていくのが適当だ」との認識を何人かの委員が示していたことが分かった。日銀が20日に決定会合の議事要旨を公表した。

日銀は決定会合で政策金利を0.5%で据え置くことを全員一致で決めた。5月1日に公表した展望リポートでは、米国の関税措置の影響を織り込んで経済・物価ともに見通しを引き下げた。その上で、利上げ判断の鍵を握る基調的な物価上昇率について、2%目標と整合的な水準になるのは「見通し期間後半」とした。見通し期間内に2%目標に到達するものの、到達時期は「従来の見通しから1年程度、後ずれする」と複数の委員が述べた。

一方で、物価の上振れリスクへの言及もあった。複数の委員が、米国と各国との通商交渉の帰すう次第では「中心的な見通しよりも物価が上振れる可能性もある」と指摘した。このうち1人の委員は、成長率や消費者物価の前年比が今回の見通し通りに推移するとしても、企業や家計の予想物価上昇率や企業の賃金・価格設定行動の状況次第では、基調的な物価上昇率は「見通し期間前半に物価目標とおおむね整合的な水準で推移する可能性も十分ある」と踏み込んだ。

ロイター
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