日経平均は反発、FOMC無難に通過 米関税協議の進展に思惑も

5月8日、東京株式市場で日経平均は、前営業日比148円97銭高の3万6928円63銭と反発して取引を終えた。写真は昨年2月、都内で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)
Noriyuki Hirata
[東京 8日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比148円97銭高の3万6928円63銭と反発して取引を終えた。米連邦公開市場委員会(FOMC)を無難に通過して米株高となったことや、為替の円安基調が好感された。短期的な過熱感が警戒されマイナスに転じる場面もあったが、関税に関する米国と各国・地域との協議進展への思惑も投資家心理を支えた。
日経平均は、米半導体株高を受けた国内関連株の上昇が主導して高く始まり、心理的節目の3万7000円に接近する場面もあった。ただ、買い一巡後は、戻り待ちの売りが上値を抑え、一時マイナスに転じた。先週末までの7連騰で約2600円上昇と急ピッチで値を戻していたことに加え、25日移動平均線からの乖離やRSI(相対力指数)といったテクニカル面から短期的な過熱感が意識された。
後場に入ると、指数は再びプラスに転じた。トランプ米大統領が7日、主要国との貿易協定について8日午前10時(日本時間午後11時)に発表すると明らかにしたことが伝わる中、時間外取引の米株先物の堅調な推移が支えになった。後場には一時197円高の3万6977円35銭に上昇した。
トランプ氏は国名などの詳細は明らかにしなかったが、米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は7日、トランプ政権が英国との貿易協定を8日に発表すると報じた。市場では「(トランプ氏は)同盟国には柔和的になるとの期待につながる。ただ、英国は対米赤字のため合意しやすい側面があり、日本に関しては引き続き予断を許さない」(松井証券の窪田朋一郎シニアマーケットアナリスト)との見方が聞かれた。 TOPIXは0.09%高の2698.72ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比0.09%高の1388.81ポイントだった。プライム市場の売買代金は4兆4795億4700万円だった。東証33業種では、値上がりは海運やサービス、非鉄金属など18業種、値下がりはその他製品や保険、鉄鋼など15業種だった。 個別物色は活発で、自社株買いを発表した日本郵船が大幅高となったほか、NTTによる完全子会社化が報じられたNTTデータグループはストップ高となり年初来高値を更新した。一方、取引時間中に決算を発表したトヨタ自動車は軟調。バンダイナムコホールディングスは大幅安だった。新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.54%安の676.48ポイントと反落した。 東証プライム市場の騰落数は、値上がりが875銘柄(53%)、値下がりは688銘柄(42%)、変わらずは72銘柄(4%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 36928.63 148.97 36863.3 36,606
8 .71─36
,977.3
5
TOPIX 2698.72 2.56 2698.61 2,675.
85─2,7
02.23
プライム指数 1388.81 1.27 1389.48 1,377.
11─1,3
90.60
スタンダード指数 1282.94 3.76 1279.92 1,274.
67─1,2
83.97
グロース指数 863.36 -4.01 868.07 860.41
─868.7
7
グロース250指 676.48 -3.64 680.49 673.93
数 ─681.1
5
東証出来高(万株 191142 東証売買代金( 44795.4
) 億円) 7