ノルウェーのエクイノール、米風力事業中止で数十億ドル損失も

ノルウェー石油大手エクイノールは30日、米ニューヨーク州沖で進めている大規模風力発電施設「エンパイア・ウィンド」の建設について、トランプ大統領が建設中止決定を撤回しない限り、数十億ドル規模の損失を被る可能性があるとの見方を示した。写真は2024年3月、ノルウェーのハンメルフェストで撮影(2025年 ロイター/Lisi Niesner)
Nora Buli
[オスロ 30日 ロイター] - ノルウェー石油大手エクイノールは30日、米ニューヨーク州沖で進めている大規模風力発電施設「エンパイア・ウィンド」の建設について、トランプ大統領が建設中止決定を撤回しない限り、数十億ドル規模の損失を被る可能性があるとの見方を示した。
エクイノールは、発電プロジェクトは中止された時点で約30%が完了していたと説明。米政府当局と会談して中止撤回を求める意向を明らかにした。中止決定を違法と主張し、法的選択肢を検討しているという。同社によれば、これまでの投資額は25億ドルに上る。
アンダース・オペダル最高経営責任者(CEO)は「全て必要な承認を得て、エンパイア・ウィンド事業に投じた。建設中止命令は想定外で、われわれの見解では違法と捉えている」と主張した。
エクイノールは2017年、バイデン前政権下で同事業の許可を取得していた。
しかし、米国のバーガム内務長官は16日、バイデン政権が発電施設の建設許可前に十分な環境分析を行わなかったと指摘し、建設中止を命じた。
事業は27年の稼働開始を予定していた。発電容量は810メガワットで、年間50万世帯に十分に供給できる見込みだった。