ニュース速報
ビジネス

日産の前期、最大の最終赤字7500億円で無配転落 構造改革費計上

2025年04月24日(木)20時52分

 4月24日、日産自動車は2025年3月期の業績見通しを修正し、純損益を前回予想の800億円の赤字から7000─7500億円の赤字に見直した。過去最大の最終赤字となる。横浜の本社で2月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Maki Shiraki

[東京 24日 ロイター] - 日産自動車は24日、2025年3月期の純損益が7000─7500億円の赤字(前の期は4266億円の黒字)となる見通しと発表した。前回予想の800億円の赤字から大幅に引き下げた。比較できる1986年3月期以降、過去最大の最終赤字となる。無配とすることも発表した。

米国や中国などでの販売低迷に加え、経営再建に向けた構造改革費用がかさむため。最終赤字の赤字幅は、同社が経営危機に陥っていた時期に計上した2000年3月期の6844億円の赤字を大きく上回る。

日産は5月13日に決算発表を予定する。同社は日本、メキシコから米国へ車を輸出しており、26年3月期はさらにトランプ米大統領の関税政策の影響が重くのしかかる可能性がある。

25年3月期の販売台数は335万台となる見通し。競争の激化や販売台数の落ち込みにより、営業利益は前回予想の1200億円から350億円減の850億円を見込む。

ターンアラウンド(再生計画)の実施により、北米、中南米、欧州、日本での資産見直しで5000億円超の減損損失、600億円超の構造改革費用を計上する。

日産では「厳しい事業環境を乗り切るための十分な資金を確保している」と説明。同社によると、年度末で自動車事業の手元資金は1兆4980億円。自動車事業のネットキャッシュは2兆2000億円を見込んでおり、販売金融会社に対する貸付金1兆2000億円と合わせて3兆4000億円の流動性を維持している。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ゼレンスキー氏、トランプ氏と28日会談 領土など和

ワールド

ナジブ・マレーシア元首相、1MDB汚職事件で全25

ワールド

ロシア高官、和平案巡り米側と接触 協議継続へ=大統

ワールド

前大統領に懲役10年求刑、非常戒厳後の捜査妨害など
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 4
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 5
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 6
    「衣装がしょぼすぎ...」ノーラン監督・最新作の予告…
  • 7
    赤ちゃんの「足の動き」に違和感を覚えた母親、動画…
  • 8
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 9
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 6
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 7
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 8
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 9
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中