独VW、雇用保障盛り込んだ労働協約を破棄 来年から解雇か
ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は9月10日、国内6カ所の工場で2029年まで雇用を保障することなどを盛り込んだ一連の労働協約を破棄すると発表した。労組が反対する人員解雇を来年から実施するとの観測が強まった。写真はコストカットなどに反対する従業員ら。4日、ボルフスブルクで代表撮影(2024年 ロイター)
Victoria Waldersee
[フランクフルト 10日 ロイター] - ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)は10日、国内6カ所の工場で2029年まで雇用を保障することなどを盛り込んだ一連の労働協約を破棄すると発表した。労組が反対する人員解雇を来年から実施するとの観測が強まった。
VWは価格の安いアジア勢との競争に苦しんでおり、コスト削減の一環として数十年にわたり維持してきた労働協約を見直す。
VWは先に国内で初めてとなる工場閉鎖を検討中だと発表し、自動車業界に衝撃が走った。ドイツ政府も強い懸念を示している。
VWの人事責任者を務めるグンナー・キリアン氏は声明で「国内でのコストを競争力のある水準に引き下げ、自前の資源で新技術や新製品に投資できるようにする必要がある」と訴え、労働協約の破棄にあたって賃金交渉を前倒しで進める方針を示した。
賃金交渉は10月の中旬か下旬に始まる予定だが、労組側は今月中の開始を求めている。