ニュース速報
ビジネス

NY外為市場=ドル下落、FRB利下げ幅にはなお議論の余地

2024年09月11日(水)05時53分

終盤のニューヨーク外為市場では、ドルは主要通貨に対して値を下げた。2022年7月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

[ニューヨーク 10日 ロイター] - 終盤のニューヨーク外為市場では、ドルは主要通貨に対して値を下げた。重要なインフレ指標の発表と米大統領選討論会を控えるが、いずれも全般的な金融政策に影響を与える公算は小さいとみられる。

米連邦準備制度理事会(FRB)は9月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、4年余りぶりとなる利下げに踏み切るとの見方が強いものの、利下げ幅についてはなお議論の余地がある。

LSEGによると、フェデラルファンド(FF)金利先物市場は来週のFOMCで25ベーシスポイント(bp)の利下げが行われる確率は67%との見方を織り込んでいる。50bpの利下げ幅については33%。先週6日は、米雇用統計の内容を受け50%まで上昇していた。

マネーコープの北米ストラクチャード商品部門責任者、ユージン・エプスタイン氏は、ドル指数は8月下旬の安値から上昇傾向にあるが、主に金利がその押し上げ要因になっていると指摘。「来週のFOMCでの利下げ決定を市場はかなり期待していたが、そうした期待の一部は後退している」と述べた。  

市場は、利下げ幅を見極める材料として11日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)に注視している。

主要通貨に対するドル指数は101.63と、ほぼ横ばい。

午後の取引で、ドルは円に対して0.5%安の142.35円。6日に付けた1カ月ぶりの安値141.75円からそう遠くない水準にある。

ドルはスイスフランに対しては0.3%安の0.8466フラン。ユーロは0.1%安の1.1024ドルとなった。

12日の欧州中央銀行(ECB)の理事会を控え、投資家らは年内のECBによる利下げ幅が計63bpとの見方を織り込んでいる。

一方、英ポンドは0.1%高の1.3081ドル。中国人民元は対ドルで若干下落し、0.1%高の7.1193元となった。

10日に行われる米大統領選のテレビ討論会にも注目が集まる。共和党候補トランプ前大統領が勝利すれば、減税や財政支出の増加が金利を押し上げドル高になるとの見方が強い。

ドル/円 NY午後4時 142.31/142.3

2

始値 143.03

高値 143.19

安値 142.21

ユーロ/ドル NY午後4時 1.1027/1.102

8

始値 1.1040

高値 1.1043

安値 1.1016

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、次期FRB議長にウォーシュ氏かハセット

ビジネス

アングル:トランプ関税が生んだ新潮流、中国企業がベ

ワールド

アングル:米国などからトップ研究者誘致へ、カナダが

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、方向感欠く取引 来週の日銀
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    受け入れ難い和平案、迫られる軍備拡張──ウクライナの選択肢は「一つ」
  • 4
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 5
    【揺らぐ中国、攻めの高市】柯隆氏「台湾騒動は高市…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 8
    「前を閉めてくれ...」F1観戦モデルの「超密着コーデ…
  • 9
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 10
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 1
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 2
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価に与える影響と、サンリオ自社株買いの狙い
  • 3
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 4
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
  • 5
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 6
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 7
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の…
  • 8
    キャサリン妃を睨む「嫉妬の目」の主はメーガン妃...…
  • 9
    ホテルの部屋に残っていた「嫌すぎる行為」の証拠...…
  • 10
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 4
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 5
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 6
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 7
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 10
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中