ニュース速報
ビジネス

ECB下限金利、銀行需要反映した設定に 来月にも発表=関係筋

2024年02月29日(木)18時14分

 2月29日、欧州中央銀行(ECB)は今後も市場の実質的な「下限金利」を設定するが、必要とされる流動性の規模を決定する上で市中銀行がより大きな役割を果たす見込み。4人の関係筋がロイターに明らかにした。独フランクフルトで2023年9月撮影(2024年 ロイター/Wolfgang Rattay)

Francesco Canepa Frank Siebelt

[フランクフルト 29日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は今後も市場の実質的な「下限金利」を設定するが、必要とされる流動性の規模を決定する上で市中銀行がより大きな役割を果たす見込み。4人の関係筋がロイターに明らかにした。

ECB当局者は先週フランクフルトで開かれた会議で「下限金利」を続けることで合意した。

しかし関係筋によると、超過準備預金を今後数年間で吸収した後は、銀行システムに供給する流動性の量をECBが単独で決定する方式を変更する。イングランド銀行(英中央銀行)が行っているように、市中銀行が必要な資金を中銀から借り入れることで流動性の保有量を決定する仕組みを導入する。

その一環として主要リファイナンス金利を現在の4.5%から引き下げて中銀預金金利の4.0%に近づけ、貸出金利と預金金利の幅を狭くする「ナローコリドー」システムを採用するという。

当局者はまた、銀行間市場の指標であるユーロ短期金利(ESTR)について、ECBの預金金利付近で一定程度変動することを容認することでも合意した。

「需要主導型下限金利」と呼ばれるこの新しい枠組みは、早ければ金利決定のない3月13日の理事会で公表される可能性がある。

現時点では1%としている銀行の最低預金準備率を変更する計画はないが、一部の当局者が変更を提案する可能性があるという。

ECBが保有する債券の規模をどの程度にするかや、短期証券を中心とするか、それより長めの債券も含めるべきかについては議論が続いているとした。

ロイター
Copyright (C) 2024 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米テキサス州洪水の死者69人に、子ども21人犠牲 

ワールド

韓国特別検察官、尹前大統領の拘束令状請求 職権乱用

ワールド

ダライ・ラマ、「一介の仏教僧」として使命に注力 9

ワールド

台湾鴻海、第2四半期売上高は過去最高 地政学的・為
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプvsイラン
特集:トランプvsイラン
2025年7月 8日号(7/ 1発売)

「平和主義者」のはずの大統領がなぜ? 核施設への電撃攻撃で中東と世界はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    アリ駆除用の「毒餌」に、アリが意外な方法で「反抗」...意図的? 現場写真が「賢い」と話題に
  • 3
    「飛行機内が臭い...」 原因はまさかの「座席の下」だった...異臭の正体にネット衝撃
  • 4
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 5
    シャーロット王女の「ロイヤル・ボス」ぶりが話題に..…
  • 6
    コンプレックスだった「鼻」の整形手術を受けた女性…
  • 7
    「シベリアのイエス」に懲役12年の刑...辺境地帯で集…
  • 8
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 9
    孫正義「最後の賭け」──5000億ドルAI投資に託す復活…
  • 10
    ギネスが大流行? エールとラガーの格差って? 知…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...父親も飛び込み大惨事に、一体何が起きたのか?
  • 3
    「やらかした顔」がすべてを物語る...反省中のワンコに1400万人が注目
  • 4
    後ろの川に...婚約成立シーンを記録したカップルの幸…
  • 5
    【クイズ】「宗教を捨てる人」が最も多い宗教はどれ?
  • 6
    職場でのいじめ・パワハラで自死に追いやられた21歳…
  • 7
    為末大×TAKUMI──2人のプロが語る「スポーツとお金」 …
  • 8
    仕事ができる人の話の聞き方。3位は「メモをとる」。…
  • 9
    「本物の強さは、股関節と脚に宿る」...伝説の「元囚…
  • 10
    普通に頼んだのに...マクドナルドから渡された「とん…
  • 1
    「飲み込めると思った...」自分の10倍サイズのウサギに挑んだヘビの末路
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 6
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 7
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 8
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
  • 9
    燃え盛るロシアの「黒海艦隊」...ウクライナの攻撃で…
  • 10
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中