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マイナス金利解除4月は時期尚早、中小賃上げ見極め必要=本田元内閣官房参与

2024年02月26日(月)19時07分

 2月26日、安倍晋三政権で経済アドバイザーを務めた本田悦朗・元内閣官房参与(明治学院大学客員教授)は、ロイターの取材に応じ、日銀のマイナス金利解除に関して、中小企業の賃上げ動向を見極める必要があるとして、4月の実施は時期尚早と述べた。写真は日銀本店。2023年9月撮影(2024年 ロイター/Issei Kato)

Yoshifumi Takemoto Tetsushi Kajimoto

[東京 26日 ロイター] - 安倍晋三政権で経済アドバイザーを務めた本田悦朗・元内閣官房参与(明治学院大学客員教授)は26日、ロイターの取材に応じ、日銀のマイナス金利解除に関して、中小企業の賃上げ動向を見極める必要があるとして、4月の実施は時期尚早と述べた。

解除する際には2%の物価目標達成までゼロ金利政策を維持するとの先行き指針が必要とも強調した。

本田氏は大企業を中心に春闘で大幅な賃上げが実現しても中小企業への浸透には一定の時間がかかるとして、金融市場で取り沙汰されている3、4月のマイナス金利解除に反対を表明した。

理由として「中小企業は労働分配率がすでに高く、人材育成や資本蓄積が間に合わない企業もあり、全ての中小企業が賃上げできるかわからない不透明性が残っている」とし、こうした中で4月のマイナス金利政策解除はリスクが大きい、と説明した。

同時に「マイナス金利は銀行間の金利に過ぎず一般企業向け金利にはリスクプレミアムが付与されている」として「マイナス金利の副作用はない」と指摘した。

解除する際には、「短期金利ゼロ%への利上げはあり得る」と述べた。

一方、2025年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)の黒字化を掲げる政府の財政健全化目標についても、不要との立場を改めて表明した。

実質金利を上回る経済成長率を達成できれば政府の債務比率は一定の水準に収束するためとした。ただその過程で物価上昇率が2%を大きく上回る場合には「金融・財政政策の引き締めが必要」とも述べた。

ロイター
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