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NY外為市場=ドルやや軟調、円は日銀決定会合控え上昇

2023年09月22日(金)06時12分

ニューヨーク外為市場では、ドル指数が軟調となった。ただ、前日に米連邦準備理事会(FRB)が長期にわたり金融政策を制約的に維持する姿勢を示したことで、6カ月ぶりの高値近辺にとどまっている。2016年1月撮影(2023年 ロイター/Jason Lee/Illustration/File Photo)

[ニューヨーク 21日 ロイター] - ニューヨーク外為市場では、ドル指数が軟調となった。ただ、前日に米連邦準備理事会(FRB)が長期にわたり金融政策を制約的に維持する姿勢を示したことで、6カ月ぶりの高値近辺にとどまっている。

日本円は翌日に日銀の金融政策決定会合を控え上昇した。一方、イングランド銀行(英中央銀行)とスイス国立銀行(中央銀行)の金利据え置きを受け、英ポンドとスイスフランは下落した。

円は対ドルで0.58%高の147.46円。この日は上昇したものの、対ドルで10カ月ぶりの安値近辺で推移する中、政府・日銀が円相場を下支えに為替市場に介入するか注目が集まっている。

岸田文雄首相はこの日、国連総会出席のため訪れているニューヨークのエコノミック・クラブで行った講演後の質疑応答で、為替相場はファンダメンタルズ(経済の基礎的諸条件)を反映して安定的に動くことが重要との認識を示し、過度な変動に対処するために政府はいかなる選択肢も排除しないと述べた。

マネックスUSAの外為トレーダー、ヘレン・ギブン氏は、日銀の決定会合前にポジションを調整する動きが出ていると指摘。ロイターが実施したエコノミスト調査では、日銀のマイナス金利解除は来年になるとの予想が過半数を占めた。

ジェフリーズのグローバル外為部門責任者、ブラッド・ベクテル氏は「今回の決定会合で利上げが実施される可能性は低いが、利上げを示唆する発言が出る可能性はある」としている。

FRBは前日まで開いた連邦公開市場委員会(FOMC)で金利据え置きを決定。ただタカ派的なスタンスを強め、年内の追加利上げを想定。金融政策は2024年を通して従来の予想より大幅に引き締まった水準にとどまるとの見方を示した。

マネックスUSAのギブン氏は「今回のFOMCでドル強気派は望んでいたものを手に入れた」とし、FRBのスタンスは、より厳しい状況に直面している欧州中央銀行(ECB)や英中銀のガイダンスとはかなり対照的だったと述べた。

終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.10%安の105.33。ただ、一時は105.74と、3月以来の高水準を付けていた。

英ポンドは0.41%安の1.22935ドル。英中銀はこの日、政策金利を5.25%に据え置いた。据え置きは2021年12月以来初めて。ただ、ベイリー総裁は利上げがまだ終了していないと強調した。

暗号資産(仮想通貨)のビットコインは約2.0%安の2万6593ドル。

ドル/円 NY終値 147.58/147.61

始値 147.73

高値 148.07

安値 147.33

ユーロ/ドル NY終値 1.0658/1.0662

始値 1.0648

高値 1.0673

安値 1.0626

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