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法人企業統計1─3月、設備投資リーマン前取り戻し GDP上方修正へ

2016年06月01日(水)11時22分

6月1日、1─3月期の法人企業統計によると、設備投資額は全産業で前年比4.2%増となり、12期連続で増加した。都内で2月撮影(2016年 ロイター/YUYA SHINO)

[東京 1日 ロイター] - 財務省が1日発表した2016年1─3月期の法人企業統計(金融業・保険業を除く)によると、経常利益は足元減少したとはいえ高水準を維持し、設備投資額はリーマン・ショック前の水準まで回復したことが明らかとなった。企業部門は資源安や円高の影響を受けながらも、全体として緩やかな回復基調を維持していると財務省は判断している。

設備投資はソフトウエアを含むベースで前年比4.2%増となり、12期連続で増加した。過去との比較が可能なソフトウエアを除くベース(原数値)でみると12.5兆円と、リーマン・ショック時の景気後退期直前08年1─3月期の15.5兆円以来の高水準となった。季節調整値の前期比では前期比1.4%増と2四半期ぶりの増加。

輸送用機械で新型車向け能力増強投資、化学で医薬品投資が活発だったほか、電気業で発電所安全対策対策や発送電装置新設などが押し上げた。

他方で、売上高は前年比3.3%減で、2期連続の減収。経常利益も前年比9.3%減と、2期連続の減益だった。経常利益は自動車が関連工場火災による生産停止や円高で減益、卸売業では資源安による投資有価証券の評価損や在庫評価損が響き減益となったことが足を引っ張った。それでもここ3年間ほどは、リーマン・ショック時をしのぐ16兆円前後の高水準を維持している。

こうした結果を受けて、1─3月期国内総生産(GDP)二次速報値は設備投資の上方修正によりプラス幅を拡大するとみられている。みずほ証券では1次速報の前期比年率1.7%から2.5%への上方修正を見込む。三井住友アセットマネジメントでも同2.0%程度を予測している。

*内容を追加します。

(中川泉 編集:田中志保)

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