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機械受注1月は3カ月ぶり減も予測以上にしっかり、設備投資に回復感
3月11日、内閣府が発表した1月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比1.7%減の8389億円となった。3カ月ぶりの減少。山梨県で2013年7月撮影(2015年 ロイター/Reiji Murai )
[東京 11日 ロイター] - 内閣府が11日に発表した1月機械受注統計によると、設備投資の先行指標である船舶・電力を除いた民需の受注額(季節調整値)は、前月比1.7%減と反動減を主因に3カ月ぶりの減少となった。ただし落ち込みは予測より小幅にとどまり、内容的には企業の設備投資の回復感はむしろしっかりしてきたとの見方が広がっている。
特に加工型製造業からの受注が堅調で、非製造業からの受注は3カ月連続で増加しており、輸出増加や人手不足対応などが後押ししているとの指摘もある。
内閣府は、機械受注の判断を「緩やかな持ち直しの動きがみられる」に据え置いた。
1月の機械受注は前月比1.7%減の8389億円となった。3カ月ぶりの減少。
ロイターの事前予測調査では4.1%減と予想されていたが、これを上回った。前年比では1.9%増だった。
1月は、反動減により単月では減少となったものの、3カ月移動平均で見れば5カ月連続の増加となっており、持ち直しの動きが継続している。昨年7-9月期から2四半期連続の前期比増加となっており、1─3月の見通し1.5増%も、2、3月が各々マイナス2.4%減となっても達成可能と内閣府では試算している。
製造業では、1月11.3%減と2ケタの減少となったものの、12月の24.1%増という高い伸びの後にしては、落ち込みはそれほど大きくなかった。
落ち込みが大きかったのは、その他製造業や自動車関連、その他輸送用機械など。これらの業種では、反動減による落ち込みがみられたことからも、単月の振れとみられる。
1月の鉱工業生産でも、設備投資と連動性が高い資本財の生産・出荷が高い伸びを示していることから、企業の設備投資が国内回帰により回復傾向を強めるとの期待も一部にある。
非製造業からの受注は3カ月連続で増加し、昨年末までの回復の遅れからの反転が鮮明となっている。農林漁業からの農林用機械や、運輸・郵便業からの道路・鉄道車両、通信業からの通信機などが増加に寄与。
外需は2ケタ増。100億円以上の大型案件の受注も6件含まれている。外需は昨年春以降減少傾向が続いてきたが、足元でようやく底打ちから増加に転じつつある模様。
市場関係者の間では、「全体としては回復の動きが続いていると見て良いだろう」(BNPパリバ証券)と受け止められている。中には、機械受注が回復傾向を強めているとの前向きな見方もあり、「設備投資の循環的回復加速、そして構造的な回復要因として、人手不足と設備不足が挙げられる」(SMBC日興証券)といった分析もある。
「足元では円安効果が発揮されて輸出数量の増勢が強まっていることもあり、機械受注なども徐々に堅調さを増していく」(農林中金総合研究所)といった予想が少なくない。
機械受注統計は機械メーカーの受注した設備用機械について毎月の受注実績を調査したもの。設備投資の先行指標として注目されている。
*脱字を修正して再送します。
(中川泉 編集:野村宏之)