コラム

成長する会社だけにある「集団運」とは何か?...ドン・キホーテ創業者が見つけた「運の仕組み」

2025年10月30日(木)17時30分

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス創業会長兼最高顧問の安田隆夫氏(左)とレオス・キャピタルワークス社長の藤野英人氏

これを受け、藤野氏はこう続ける。

「私は『所詮運だ』と思っているが、それは投げやりな意味ではない。悪いことがあっても『たまたま運が悪かっただけ』と考え、明日も頑張ろうと思える。逆に成果が出ても『運が良かっただけ』と考え、実力だと過信せずまた努力を続けられる」

「努力が全てだと思うと、失敗すれば自分を責めて落ち込み、成功すれば増長してしまう。だから運を語る人は謙虚で、成功しても『これは運が来ただけ』と奢らない姿勢を持つことが多い」

安田氏もまた、「万能感や『必ず勝てる』という思い込みを捨てると、勝った時には謙虚になることができ、失敗しても受け止められる。このほうが心境は安定する」と同意した。

会社を大きくするには「集団運」を上げることが大事

藤野氏が印象に残ったという「集団運」「個人運」という言葉は安田氏による造語だ。特に創業当初は経営者が自分で全てやろうとしてしまうものだが、人に任せることで結果的に集団が力を発揮し、会社が大きくなったという。

「個人の成功と、みんなで成功することは全く意味が違う。経営者としては『私の成功』と同時に『私たちの成功』にしたい。そのためには喜怒哀楽を共有できることが重要だ」と安田氏は語る。

プロフィール

藤野英人

レオス・キャピタルワークス 代表取締役会長兼社長、CIO(最高投資責任者)
1966年富山県生まれ。国内・外資大手資産運用会社でファンドマネージャーを歴任後、2003年にレオス・キャピタルワークスを創業。日本の成長企業に投資する株式投資信託「ひふみ投信」シリーズを運用。投資啓発活動にも注力しており、東京理科大学MOT上席特任教授、早稲田大学政治経済学部非常勤講師、日本取引所グループ(JPX)アカデミーフェロー、一般社団法人投資信託協会理事を務める。主な著書に『投資家みたいに生きろ』(ダイヤモンド社)、『投資家が「お金」よりも大切にしていること』(星海社新書)、『さらば、GG資本主義――投資家が日本の未来を信じている理由』(光文社新書)、『「日経平均10万円」時代が来る!』(日経BP 日本経済新聞出版)など。

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