生成AIで記事も動画も作れる今の時代に、記者としてすごく悩んでいること
それに対して私はアメリカの例を挙げた。アメリカでは現状、リスクを起こす人たちと技術を開発する人たち、国を運営する人たちがつながっている。
この環境では日本が考える仕組みは無意味だ。世界のどこかでルールなき生成AIの開発がされれば、他国のルールは「イノベーションの障害」と言われてしまう。競争力を考えたら、そのルールを維持することは非常に難しい。
新しい技術で開発されたサービスやモノを「イノベーション」と呼びがちだが、倫理を無視したサービスやモノはむしろ退行ではないかと私は思う。技術の開発スピードが人間のリスク分析能力をはるかに超えているのが、今の時代の最大の問題だ。
西村カリン
KARYN NISHIMURA
1970年フランス生まれ。パリ第8大学で学び、ラジオ局などを経て1997年に来日。AFP通信東京特派員となり、現在はフリージャーナリストとして活動。著書に『フランス人記者、日本の学校に驚く』など。Twitter:@karyn_nishi
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