先進国が出生数の減少を嘆く必要はない? 「経済的にはむしろ望ましいかも」
Rethinking Birth Rates
現実的な政策見直しを
なにより重要なことに、この論文は、健全な経済を維持するためには、人口置換水準またはそれ以上の出生率が必要だという通説に疑問を投げかけている。
そして、経済の持続可能性を決めるのは、人口の規模よりも人口の構造だと主張する。教育水準が向上し、労働参加率が上昇し、生産性も高まれば、出生数減少のインパクトは吸収できるし、場合によっては経済によい影響を与える可能性すらあるという。
子供の数が少ない社会は、子供1人当たりにより多くの資源を投じることができるし、人的資本やイノベーション、そして長期的な生産性を強化できるという。また、経済全体の従属人口指数が下がり、行政サービスにも余裕ができると、彼らは主張する。
「われわれのメッセージは、出生数の減少が本質的に良いか悪いかではない。重要なのは、豊かさを保証する『理想の』出生率など存在しないということだ」と、研究論文の共同執筆者であるウォルフガング・ルッツは指摘する。
さらにルッツは、「政府は出生率を恣意的な数値に引き上げようとするのではなく、人口動態の現実に応じて社会保障制度を見直すことに注力するべきだ」と言う。「教育と生産性に重点的に投資するべきだ。そうすれば出生数が少ない社会も豊かになれる」





