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日米首脳会談

イラン情勢は、日本の「見えざる戦争」...高市・トランプ会談で、日本が直視すべき「9つの現実」

2026年3月19日(木)12時56分
IGSI(国際インテリジェンス戦略研究所)

しかし、日本の世論では82%がそれに反対しており、憲法9条を越えるにはかなり「創造的」な法解釈が必要になる。しかも、中国は中東でのアメリカ主導の連携を「やはり高市はタカ派だ」と認識して、台湾への圧力を強める口実にしかねない。横須賀の第7艦隊も、ホーム戦域での日本の補完を失うことになる。

第二は、非軍事支援にとどめる道である。情報共有、ロジスティクス、備蓄放出、イラン政府との外交関与などがこれにあたる。現時点で高市政権はこの方向に傾いているように見える。

だが、これもまた簡単ではない。トランプ政権の日本に対する忍耐力は低く、「法的に難しい」という説明はワシントンでは「政治的に逃げている」と受け取られかねない。日本が台湾をめぐって米国の再保証を必要としているその瞬間に、逆にさらなる負担要求を突きつけられる可能性もある。

第三は、日本が持つイランとの外交ルートそのものを「貢献」であると認識させることだ。これはほとんど報じられていないが、最もレバレッジの高い選択肢でもある。日本にはテヘランと直接話せる蓄積があり、高市首相も働きかけを認めている。もし日本が欧州とともに、爆撃の一時停止と検証可能な軍縮協議を引き換えに海峡再開を促す限定的停戦枠組みを提案できれば、日本は単なる追随者ではなく、危機の出口をつくるプレーヤーになれる。

ただし、それを成立させるにはイラン側が誠実に応じる必要がある。現状のイランの姿勢は強硬だが、アラグチ外相の「停戦ではないが、戦争は終わらせるべきだ」という言い回しの変化は、面子を保ちながらの出口を探る余地を示しているのかもしれない。

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