最新記事
日米首脳会談

イラン情勢は、日本の「見えざる戦争」...高市・トランプ会談で、日本が直視すべき「9つの現実」

2026年3月19日(木)12時56分
IGSI(国際インテリジェンス戦略研究所)

第八に、核の先例は北朝鮮との関係で日本に直結している。3月12日、B-2ステルス爆撃機はイランのパルチン軍事複合施設内の核施設「タレガン2」にGBU-57/B大型貫通爆弾を投下し、強固な地下核施設を貫通した。北朝鮮はこの能力誇示をリアルタイムで見ている。イランの地下核施設を破壊したB-2とGBU-57/Bの組み合わせは、北朝鮮有事の際に米国が用いる可能性の高い主要手段でもある。にもかかわらず、日本の主流報道はこの点をほとんど正面から論じていない。

第九に、日本のテヘランへの外交パイプは本物でありながら、戦略資産として十分に評価されていない。日本はイランと完全な外交関係を維持しており、自民党や外務省には、2019年の安倍晋三首相のテヘラン訪問を含む長年の制度的記憶がある。高市首相自身も、日本が事態沈静化のためにイランへの働きかけを続けていると認めている。海峡再開のための日本・欧州仲介枠組みも提案されているが、こうした選択肢は軍事論に比べてほとんど真剣に議論されていない。

会談で高市首相が突きつけられる3つの問題

こうしたイラン情勢の実態を踏まえた上で、高市早苗首相がトランプ大統領と3月19日に開催する首脳会談ではどんな協議が行われるのか。

本来なら80兆円(5500億ドル)の対米投資、ゴールデンドーム構想、レアアース、そして対中戦略のすり合わせが主題だった。だが、いまやイラン戦争がすべてを覆ってしまった。

トランプと対峙する高市首相が突きつけられる問題は、大きく分けると3つだ。第一は、ホルムズに艦艇を派遣するかどうか。海上自衛隊の8隻のイージス艦は、イランの対艦弾道ミサイルに対処する能力を備えており、2~3隻でも軍事的には意味のある貢献になる。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

パリ控訴裁、SHEINのサイト停止求める仏政府の請

ビジネス

サウジの紅海側ヤンブー港、原油積載再開 製油所攻撃

ビジネス

アングル:植田日銀総裁、利上げ姿勢崩さず 4月会合

ビジネス

スイス中銀、ゼロ金利維持 過度なフラン高に対抗
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 2
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 3
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 4
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 5
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 …
  • 6
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 7
    モジタバの最高指導者就任は国民への「最大の侮辱」.…
  • 8
    ガソリン価格はどこまで上がるのか? 専門家が語る…
  • 9
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 10
    観客が撮影...ティモシー・シャラメが「アカデミー賞…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 5
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 6
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 7
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中