イラン情勢は、日本の「見えざる戦争」...高市・トランプ会談で、日本が直視すべき「9つの現実」
第八に、核の先例は北朝鮮との関係で日本に直結している。3月12日、B-2ステルス爆撃機はイランのパルチン軍事複合施設内の核施設「タレガン2」にGBU-57/B大型貫通爆弾を投下し、強固な地下核施設を貫通した。北朝鮮はこの能力誇示をリアルタイムで見ている。イランの地下核施設を破壊したB-2とGBU-57/Bの組み合わせは、北朝鮮有事の際に米国が用いる可能性の高い主要手段でもある。にもかかわらず、日本の主流報道はこの点をほとんど正面から論じていない。
第九に、日本のテヘランへの外交パイプは本物でありながら、戦略資産として十分に評価されていない。日本はイランと完全な外交関係を維持しており、自民党や外務省には、2019年の安倍晋三首相のテヘラン訪問を含む長年の制度的記憶がある。高市首相自身も、日本が事態沈静化のためにイランへの働きかけを続けていると認めている。海峡再開のための日本・欧州仲介枠組みも提案されているが、こうした選択肢は軍事論に比べてほとんど真剣に議論されていない。
会談で高市首相が突きつけられる3つの問題
こうしたイラン情勢の実態を踏まえた上で、高市早苗首相がトランプ大統領と3月19日に開催する首脳会談ではどんな協議が行われるのか。
本来なら80兆円(5500億ドル)の対米投資、ゴールデンドーム構想、レアアース、そして対中戦略のすり合わせが主題だった。だが、いまやイラン戦争がすべてを覆ってしまった。
トランプと対峙する高市首相が突きつけられる問題は、大きく分けると3つだ。第一は、ホルムズに艦艇を派遣するかどうか。海上自衛隊の8隻のイージス艦は、イランの対艦弾道ミサイルに対処する能力を備えており、2~3隻でも軍事的には意味のある貢献になる。





