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イラン情勢は、日本の「見えざる戦争」...高市・トランプ会談で、日本が直視すべき「9つの現実」

2026年3月19日(木)12時56分
IGSI(国際インテリジェンス戦略研究所)

第五に、中国は日本の身動きの取れなさを利用している。作戦開始後に一時止んでいた中国軍機の台湾周辺活動は、10日間の休止を経て再開された。嘉手納や韓国の米軍資産は中東へ回され、日本はホルムズと台湾抑止の両方に水上艦隊を同時投入する余力を持たない。人民解放軍(PLA)はこの制約を、まさにリアルタイムで観察し、学習している。

第六に、ロシアがイランに対し、日本を含む戦域の米軍資産に関するリアルタイム情報を提供している。ワシントン・ポストとブルームバーグによれば、中東における米軍艦船や航空機の位置情報はイラン側に渡っている。横須賀を拠点とする第7艦隊は、その隣接した指揮構造の中にある。ロシアのISR(情報・監視・偵察)能力は中東だけでなく、日本周辺を含む広域戦域を対象にしており、日本を拠点とする米軍の情報環境もまた、すでに同じ脅威フレームの中で考えるべき段階に入っている。

第七に、日本はイランの脅威に最も適した軍事ハードウェアを持ちながら、それを使っていない。イランの主要な対艦脅威である「ハリージェ・ファールス」対艦弾道ミサイルは、まさに日本のこんごう型・あたご型イージス護衛艦が迎撃を想定して整備されてきた種類の兵器だ。日本の8隻のイージス艦は、連合側の最も重要な能力ギャップを埋めうる存在として位置づけられている。日本はホルムズ再開に最も適した軍事能力を持ちながら、それを投入していない。

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