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ウクライナ戦争

ウクライナ前線で増え続ける兵の自死...隠蔽される「非戦闘による損失」の残酷な真実

THEIR HEAVY DECISION

2026年2月18日(水)14時40分
尾崎孝史 (映像制作者、写真家)

彼とは、ドネツク州マリウポリ出身のイーゴル(29、仮名)。アレクサンドラとは同じ教会に通う仲だった。イーゴルは2014年のドンバス紛争勃発後、マリウポリ周辺で塹壕掘りなどを手伝った。22年に全面戦争が起きると、自ら進んで徴兵事務所へ行った。イーゴルが入隊したのは15年に創設された第36独立海兵旅団。マリウポリの防衛を担っていた部隊だ。後に、その部隊で出会った兵士が自ら命を絶ったという。

早速、質問項目をアレクサンドラに届け、アメリカで暮らすイーゴルに電話で取材をさせてもらった。

◇ ◇ ◇



──志願した理由と任務の内容は。

私たちの土地に侵入してきた敵から同胞を守るためだ。当初は歩兵として偵察部隊に所属し、その後、FPV(一人称視点)ドローンの操縦士として戦った。私たちの旅団はドネツク、ヘルソン、ハルキウなどで活動した。

──自殺した兵士といつ、どこで出会ったのか。

彼も志願兵で、入隊後にイギリスで訓練を受けていた。23年にヘルソンで活動していた私の部隊に配属された。まだ20歳くらいで、コールサイン(軍隊名)はクリスマスだった。明るく常識的な青年で、誰とでも仲良くしていた。両親がいて、父親から電話がかかってくると喜んでいた。

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