ウクライナ前線で増え続ける兵の自死...隠蔽される「非戦闘による損失」の残酷な真実
THEIR HEAVY DECISION
彼とは、ドネツク州マリウポリ出身のイーゴル(29、仮名)。アレクサンドラとは同じ教会に通う仲だった。イーゴルは2014年のドンバス紛争勃発後、マリウポリ周辺で塹壕掘りなどを手伝った。22年に全面戦争が起きると、自ら進んで徴兵事務所へ行った。イーゴルが入隊したのは15年に創設された第36独立海兵旅団。マリウポリの防衛を担っていた部隊だ。後に、その部隊で出会った兵士が自ら命を絶ったという。
早速、質問項目をアレクサンドラに届け、アメリカで暮らすイーゴルに電話で取材をさせてもらった。
──志願した理由と任務の内容は。
私たちの土地に侵入してきた敵から同胞を守るためだ。当初は歩兵として偵察部隊に所属し、その後、FPV(一人称視点)ドローンの操縦士として戦った。私たちの旅団はドネツク、ヘルソン、ハルキウなどで活動した。
──自殺した兵士といつ、どこで出会ったのか。
彼も志願兵で、入隊後にイギリスで訓練を受けていた。23年にヘルソンで活動していた私の部隊に配属された。まだ20歳くらいで、コールサイン(軍隊名)はクリスマスだった。明るく常識的な青年で、誰とでも仲良くしていた。両親がいて、父親から電話がかかってくると喜んでいた。





