台湾侵攻を控えるにもかかわらず軍幹部を粛清...世界を困惑させる習近平の「胸の内」

Cleaning House

2026年2月10日(火)14時20分
ディディ・キルステン・タトロウ (国際問題・調査報道担当)

中国軍の能力についてはどうか。これほど多くの軍高官が排除されたのだから、影響は大きいはずだ。

「中国共産党の初期の使命や『中華民族の偉大な復興』を、習は繰り返し説いている。反汚職キャンペーンの焦点は、国内外の闘争に対して党の備えを固めることにあった。習は当初から、権力維持だけでなく、そのさらに先に目を向けていたようだ」と、マティスは言う。


「なぜ権力を追求するのか。なぜ強固で統制の取れた党を求めるのか。それらの疑問から必然的に浮かび上がるのは、軍事力の課題だ。27年に中国が台湾に侵攻するとの説があるが、武力統一を実現する上で人民解放軍は多くの問題を抱えている」

中国の軍最高指導機関の権力シフトは、米中関係にも影響を及ぼす可能性がある。4月にトランプの訪中が予定されるなか、米国防総省は1月23日、国家防衛戦略を公表。「対立ではなく力で」中国を抑止し、地域の「ある程度の平和」を目指すという。その一方で、台湾を対象に含む「侵略を拒否する軍事力を構築する」としている。

戦争か、平和か──今後の展開に重大な意味を持ちかねない地政学的変動である今回の出来事は、熟練の中国ウオッチャーであっても読み解くことが難しい。「狙いは権力なのか、軍事力なのか」と、マティスは問いかける。「粛清の目的が、その両方であってもおかしくない」

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