高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れるアメリカ」に向き合う「日本の戦略」とは?

WHAT’S IN A WORD?

2026年1月30日(金)16時25分
グレン・カール (本誌コラムニスト、元CIA工作員)

高市は前任者の進めてきた防衛力強化路線を受け継ぎ、ついに日本を「戦後」のくびきから解き放ち、軍事面でも真の主権国家となるべく突き進んでいる。

防衛予算を前年比で9.4%増額すると約束し、5年間で防衛支出を倍増させる計画も維持し、潜在的な攻撃兵器(アメリカ製の巡航ミサイル「トマホーク」など)の購入にも前向きだ。

しかも高市は、台湾侵攻は日本の存立に関わる危機だと改めて明言した。

こうした政策の狙いは何か。①他国が日本の国益を損なうような行動に出れば高い代償を払わせると誇示し、②もはやアメリカに頼れない状況下で、外交・通商・軍事にわたる中国のイニシアチブに代わり得る魅力的な選択肢を提供することだ。

最後に頼れるのは自国だけ

そしてこれらはどれも、紛争時の「賭け金」とリスクを高める(だから中国側は怒り、反発する)。しかし一方で、いざ中国側が強引な行動に踏み切ろうとする際の計算を難しくもする。それが狙いだ。

しかし狙いが当たるとは限らない。衝突は、当事者の誰もが望んでいない状況でも起こり得る。そしてアメリカが自由で開かれたアジアを守るための戦略・外交・経済・軍事的関与から手を引くことによって生じる空白を完全に埋めることは、日本を含めたどこの国にもできない。

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