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麻薬?石油?体制転覆?――マドゥロ拘束、トランプ政権の「本当の狙い」

WHAT COMES NEXT?

2026年1月15日(木)16時48分
アイマン・イスマイル (スレート誌記者)

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在外ベネズエラ人の間ではマドゥロの拘束を喜ぶ声が強い(1月6日、イタリア・ミラノ) MAURO UJETTOーNURPHOTOーREUTERS

──国連は今回のアメリカの作戦は国際法違反だと主張している。

私は国際法の専門家ではないが、アメリカには麻薬密輸などアメリカに損害を与える人物や組織を、米国内で裁く権利があると理解している。同じようなプロセスにかけられた麻薬密売人は、これまでにも大勢いる。

しかし、そのために外国(ベネズエラ)に直接乗り込んで、その人物を連行する権限まであるとは思えない。通常は犯人の引き渡しを政府に求める。従って、今回の作戦は合法性に重大な疑義があると思う。


──前例はないのか。

中南米で最も近い例となると、1989年のパナマ侵攻がある。アメリカがパナマの独裁者マヌエル・ノリエガ将軍を麻薬密売などの容疑で拘束して、アメリカで裁判にかけた事件だ。

だが、これは今回のベネズエラの作戦よりもずっと大規模で、死者や事態の収拾までに要した期間、範囲などの面でも、はるかに大きなコストをもたらした。

ただ、当時は冷戦時代で、多国間主義や国際的なガバナンス、国際的な人権規範といった概念が確立する前だった。

こうした規範が常識になった2026年に、同じような軍事侵攻が起きたことに私は懸念を覚える。冷戦後に構築された国際システムが崩壊しつつあるか、アメリカによって解体されつつあるのだ。

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深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

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