「対テロ」を掲げて「政権転覆」へ?――トランプ介入でベネズエラは泥沼化するのか

Risky Business

2025年12月24日(水)19時30分
トム・オコナー (本誌米国版外交担当副編集長)

newsweekjp20251224083237.jpg

アメリカはカリブ海で「サザン・スピア(南方のやり)」作戦と名付けた軍事作戦を展開している(25年9月) SAVANNAH HARDESTYーU.S. NAVY

「故チャベス大統領の時代から、ベネズエラの治安部隊は大国との戦いに備えている。米軍に攻め込まれたら、たとえ核攻撃がなくてもせいぜい数日しか持たないのは百も承知の上でだ」と指摘したのは、欧州拠点のシンクタンク国際危機グループのカラカス駐在アナリスト、フィル・ガンソンだ。

「ゲリラ戦や破壊工作などで事態が長期的に不安定化する脅威を見せつけ、介入を抑止したいのが本音だ」

ガンソンはこう続ける。「どれくらいの人数が、どれくらいの期間、そんな抵抗を続けられるかは予測し難い。しかし少人数でも侵略者に大きな損害を与えることは可能だ。とりわけ新政権が経済運営や官僚機構の掌握に苦労し、国民からの高い期待に応えられない場合はそうだ」

軍事作戦の下地が整う

アメリカとベネズエラの対立は、マドゥロの前任者であるチャベスの時代から続いている。

チャベスは1999年に大統領の座に就き、社会主義的な改革と中南米地域におけるアメリカの影響力排除を目指す「ボリバル革命」の旗を掲げた。

25年の初めに大統領に復帰したトランプはマドゥロ政権に対し、当初は軍事的圧力と外交の両面作戦で臨んだ。しかし成果は上がらず、このところは緊張が高まる一方だ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イスラエル、レバノンと数日内に協議へ ヒズボラと戦

ワールド

北朝鮮の金総書記、多連装ロケット砲の発射訓練視察=

ワールド

ロシアがイランに無人機「シャヘド」供与=ゼレンスキ

ワールド

トランプ氏、カーグ島再攻撃を示唆 イランとの取引「
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革命をもたらす「新世代ドローン」とは?
  • 3
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目のやり場に困る」衣装...「これはオシャレなの?」
  • 4
    イラン攻撃のさなか、トランプが行った「執務室の祈…
  • 5
    ファラオが眠る王家の谷に残されていた「インド系言…
  • 6
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 7
    機内で「人生最悪」の経験をした女性客...後ろの客の…
  • 8
    ホルムズ封鎖で中国動く、イランと直接協議へ
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 8
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 9
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 10
    40年以上ぶり...イスラエル戦闘機「F-35I」が、イラ…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 9
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
  • 10
    「罠に嵌められた」と主張するが...欧州で次々と摘発…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中