最新記事
アメリカ社会

【破綻からの逆襲】監視カメラ「1000カ所」で強盗激減、殺人も過去最少に――「絶望のデトロイト」を立て直した方法

THE MOTOR CITY COMEBACK

2025年11月28日(金)18時30分
ヘスス・メサ

newsweekjp20251128022113.jpg

昨年6月に駅で開かれたコンサートにはダイアナ・ロスも登場した AARON J. THORNTON/GETTY IMAGES

「毎晩、市民の家を訪ねてリビングに座り込んだ」と、ダガンは振り返る。「誰もが大切にされる街にしなくてはいけない。『私たち対彼ら』という図式の政治を終わりにした」

和解の姿勢は市政にも反映された。「12年間、市議会の決定に一度も拒否権を発しなかった。中間点を見つけ、互いを公に攻撃しないようにした。企業は混乱や不確実性のある地域に来たがらない」


今もダガンは自分で車を運転する。訪問客を乗せて街を案内し、新しいプロジェクトを見せることもある。そんな飾り気のない姿勢は、有権者だけでなく投資家の心もつかんだ。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEOは、デトロイト復活のために2億ドルを拠出。「投資や建設がしやすい環境が整った」と、ダガン市政を評価した。

フォードは10億ドル近くを投じ、廃墟同然だったミシガン・セントラル駅を新たなテクノロジー拠点に再生させた。

GMは22億ドルを投資して、工場を電気自動車専用の「ファクトリー・ゼロ」に転換。ジープやダッジ、クライスラーを傘下に持つステランティスは、16億ドルをかけて30年ぶりとなる新工場を市内に建設し、約5000人を雇用した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ベネズエラ、今月初めの米軍による攻撃で兵士47人死

ワールド

EU、重要インフラでの中国製機器の使用を禁止へ=F

ワールド

イラン抗議デモ、死者3000人超と人権団体 街中は

ワールド

韓国、米のAI半導体関税の影響は限定的 今後の展開
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
特集:総力特集 ベネズエラ攻撃
2026年1月20日号(1/14発売)

深夜の精密攻撃でマドゥロ大統領拘束に成功したトランプ米大統領の本当の狙いは?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手がベネズエラ投資に慎重な理由
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 5
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 8
    イランの大規模デモ弾圧を可能にした中国の監視技術─…
  • 9
    日中関係悪化は日本の経済、企業にどれほどの影響を…
  • 10
    鉛筆やフォークを持てない、1人でトイレにも行けない…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 3
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率が低い」のはどこ?
  • 4
    中国が投稿したアメリカをラップで風刺するAI動画を…
  • 5
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世…
  • 6
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試…
  • 7
    Netflix『ストレンジャー・シングス』最終シーズンへ…
  • 8
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 9
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 10
    母親が発見した「指先の謎の痣」が、1歳児の命を救っ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中