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中東情勢

アメリカが提案する和平案でネタニヤフの政治生命が終わる可能性...ガザ紛争の行方は?

Netanyahu’s Shaky Future

2025年10月7日(火)15時15分
トム・オコナー(本誌米国版外交担当副編集長)

破壊された避難先の建物で座り込むガザの少女

破壊された避難先の建物で座り込むガザの少女(10月1日) EBRAHIM HAJJAJーREUTERS

「2国家共存」のくびき

「仮に今回の和平案をハマスが受け入れて計画どおりに進むことになれば、スモトリッチとベングビールは即座に政権を離脱すると多くの人が考えている」と、ネタニヤフ政権で国家安全保障会議副議長兼外務省政策企画部長を務めたエラン・エツィオンは語る。「ただ私はそこまで単純な話だとは思わない」

ネタニヤフとしては、米政府が発表した20項目の和平案は、自分の3つの主要な戦時目標を取り上げている。すなわち、ガザにおけるハマスの統治を完全に排除すること、生存・死亡を問わず全てのイスラエル人の人質を解放すること、ガザの非武装化および「脱過激化」である。


イスラエル軍の撤退、国際平和維持部隊の展開、そしてガザの最終的な統治機構への移行は、暫定統治を担う非政治的な「パレスチナ人委員会」と、それを監視する国際機関「平和評議会」に委ねられる。評議会のトップはトランプが務め、トニー・ブレア英元首相らが参加するという。

ただし、パレスチナ国家樹立に向けた新たな交渉に関しては、軽い言及にとどめている。一方、サウジアラビアとフランスは共同で「2国家共存」による和平を呼びかけている。国際的に承認されたパレスチナ国家を実現させる道筋を重視し、ヨルダン川西岸地区の扱いも包含している。

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