最新記事
トランプ

トランプが「犯罪者に乗っ取られた」と主張するワシントンD.C....その実態は?差別的取り締まりも

Feds on a DC Phantom Hunt

2025年8月19日(火)15時30分
クリスティーナ・コーテルッチ(スレート誌記者)
ナショナル・モールにそびえるワシントン記念塔

ナショナル・モールにそびえるワシントン記念塔前で州兵は所在なさげ KAYLA BARTKOWSKI/GETTY IMAGES

<トランプはワシントンD.C.を「安全で美しい場所にする」として、州兵を投入。同地には異常な光景があちこちに広がっている>

ドナルド・トランプ米大統領が熱に浮かされた夢で見たアメリカの首都ワシントンには誰も住みたくないだろう。何しろそれは「若い暴徒」と「麻薬でいかれた連中」があふれる「暴力的なギャングと血に飢えた犯罪者に乗っ取られた」都市だというのだから。

トランプは8月11日の記者会見でこう語り、この「緊急事態」に対処するため州兵800人とFBIや麻薬取締局(DEA)など連邦当局の捜査員500人を首都に派遣すると発表。併せて首都警察を指揮下に置くと宣言した。大統領は緊急時には一時的に首都警察を指揮下に置けるが、その指揮権限には法的な制約があり、トランプの思いどおりにできるかは不透明だ。


記者会見後は首都の至る所に──物々しい警備など不要な場所にまで州兵や連邦当局の捜査員が姿を見せ始めた。

自分の住む街に突然、迷彩服を着た州兵や防弾ベストを着用した捜査員がどっとなだれ込んできたら、誰だって当惑するだろう。何が起きているのかこの目で確かめようと、私は12日朝、市内を歩いてみた。トランプに言わせれば、首都の治安状況は今や「制御不能」なレベルまで悪化している。だから自分が乗り出して首都警察の尻をたたき、首都機能と市民の安全を守らなければならないというのだ。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロの外交への意欲後退、トマホーク供与巡る決定欠如で

ワールド

米国務長官、週内にもイスラエル訪問=報道

ワールド

ウクライナ和平へ12項目提案、欧州 現戦線維持で=

ワールド

トランプ氏、中国主席との会談実現しない可能性に言及
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    TWICEがデビュー10周年 新作で再認識する揺るぎない「パイオニア精神」
  • 4
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 5
    米軍、B-1B爆撃機4機を日本に展開──中国・ロシア・北…
  • 6
    【クイズ】12名が死亡...世界で「最も死者数が多い」…
  • 7
    「認知のゆがみ」とは何なのか...あなたはどのタイプ…
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    増える熟年離婚、「浮気や金銭トラブルが原因」では…
  • 10
    若者は「プーチンの死」を願う?...「白鳥よ踊れ」ロ…
  • 1
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 2
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    まるで『トップガン』...わずか10mの至近戦、東シナ…
  • 6
    フィリピンで相次ぐ大地震...日本ではあまり報道され…
  • 7
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 8
    日本で外国人から生まれた子どもが過去最多に──人口…
  • 9
    「心の知能指数(EQ)」とは何か...「EQが高い人」に…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 3
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレクトとは何か? 多い地域はどこか?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 6
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 7
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 8
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 9
    【クイズ】日本人が唯一「受賞していない」ノーベル…
  • 10
    iPhone 17は「すぐ傷つく」...世界中で相次ぐ苦情、A…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中