アフガン人は強制送還、もしくは⋯イランに逃れた難民を待つ「残酷すぎる二択」の運命とは
IRAN PURGES ITS PAST
80年にイラクのサダム・フセインがイランへの侵攻を開始した際は、イラン政府は宗教的な義務と称して難民たちをイラク軍と戦わせた。
その数十年後、シリア内戦に乗じてイランが自らの帝国主義的野望を実現しようとしたときは、14歳の子供まで強制動員して前線に送り込んだ。戦闘を拒めば国外追放だと、みんな脅されていた。
今はイラン人の間でも自国の政治と社会に対する不満が渦巻いているが、政府は難民をスケープゴートにしてガス抜きを図っている。難民を悪者に仕立て、差別や憎悪に火を付ける手法であり、欧米社会における排外主義と何も変わらない。
イランの反体制勢力、とりわけ進歩的な層は、難民をスケープゴートにする政権を非難しているが、少なからぬ国民が難民たたきに加担し、それを楽しんでいるように見える。
X(旧ツイッター)などのSNS上では、イラン人ユーザーがアフガニスタンに関するあらゆるもの(アフガニスタンの民族的多様性から文化、服装まで)をおとしめ、絶え間なく罵詈雑言を浴びせている。
イランの新聞も、アフガニスタン人を児童レイプや女性殺害の犯人と決め付け、国内で暗躍するテロリストと断じるような下劣な記事まで掲載している。