トランプが目の敵にする理由...民主党NY市長選の左派候補が大企業依存の選挙を永遠に変える?
一方、予備選の結果は、長く民主党の政治路線を形づくってきた指導層と一般党員の間に横たわる亀裂を浮き彫りにした。
マムダニは、市内の労働者階級が多い地区で圧勝を収めた。最も強い支持を得たのは、マンハッタンの若年層や賃貸住宅居住者層。初めて選挙で投票した人たち、移民や公共交通機関利用者の支持率も高かった。これらの層は、ニューヨークを「手の届く町」にするというマムダニのメッセージのターゲット層だ。
「マムダニの勝利は、大企業の政治献金がなければ選挙に勝てないという固定観念を否定するものだ」と、草の根政治団体アワ・レボリューションのジョセフ・ギバルギース事務局長は本誌に語る。「今回の予備選は、民主党の未来をめぐる党員投票の性格を持つ。この結果は、党内の大企業寄りの層に対する警告だ」
しかし、2020年大統領選でバイデン陣営のデジタル戦略を担当したカイバン・シュロフは懐疑的だ。「(マムダニが)大勢の有権者の心を揺さぶったことは確かだが、彼が民主党の未来かというと、そんなことは全くない」。民主党主流派との間に政策のズレがあるし、公約の実現可能性も疑わしいというのだ。