トランプの法を無視した移民排斥を最高裁が容認...数十万人の一時保護が即座に剝奪、巨額の罰金も

Trump Ramps Up Attacks on the System

2025年5月28日(水)18時40分
シーリーン・アリ

マーフィーは5月20日夜に緊急の聴聞会を開き、移民がどこに連行されているのか、政府側の弁護士に情報を要求した。「飛行機はどこを飛んでいる?」と彼は問い詰めた。

ニューヨーク・タイムズ紙によると、司法省の弁護士エリアニス・N・ペレスは、「その情報は機密扱いで、最終目的地も機密扱いだと伝えられている」と述べた。さらに、強制送還された男性の1人は「信憑性のある恐怖」の主張をしていないため、政府はマーフィーの命令に違反していないとも主張した。


マーフィーはペレスに対し、飛行機の操縦士や国土安全保障省の担当者など今回の送還に関与した全ての人に、自分の命令に違反すれば法廷侮辱罪で起訴される可能性があることを伝えるように指示した。

翌21日の公聴会でマーフィーは、「この件について政府の行動は、当裁判所の命令に明らかに違反している」と指摘した。

一方、前述のとおり、連邦最高裁は5月19日に極めて重大な判断を下した。それは静かに行われた。正式な審理を通さない「シャドー・ドケット(闇の台帳)」と呼ばれる手続きを通じて、35万人の合法的なベネズエラ人移民が事実上、不法移民として非合法的な地位に追いやられたのだ。これにより国土安全保障省は、彼らのTPSを即座に剝奪することが可能になった。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、鉄鋼・アルミ関税50%に引き上げ表明 

ワールド

日鉄は「素晴らしいパートナー」とトランプ氏、買収承

ビジネス

アングル:トランプ関税、世界主要企業の負担総額34

ワールド

マスク氏、政府職を離れても「トランプ氏の側近」 退
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:岐路に立つアメリカ経済
特集:岐路に立つアメリカ経済
2025年6月 3日号(5/27発売)

関税で「メイド・イン・アメリカ」復活を図るトランプ。アメリカの製造業と投資、雇用はこう変わる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシストの特徴...その見分け方とは?
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 4
    「ホットヨガ」は本当に健康的なのか?...医師らが語…
  • 5
    【クイズ】生活に欠かせない「アルミニウム」...世界…
  • 6
    「これは拷問」「クマ用の回転寿司」...ローラーコー…
  • 7
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 8
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 9
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」…
  • 10
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 1
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「MiG-29戦闘機」の空爆が、ロシア国内「重要施設」を吹き飛ばす瞬間
  • 2
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が知らないアメリカの死刑、リアルな一部始終
  • 3
    今や全国の私大の6割が定員割れに......「大学倒産」時代の厳しすぎる現実
  • 4
    【クイズ】世界で最も「ダイヤモンド」の生産量が多…
  • 5
    「ウクライナにもっと武器を」――「正気を失った」プ…
  • 6
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 7
    「ディズニーパーク内に住みたい」の夢が叶う?...「…
  • 8
    ヘビがネコに襲い掛かり「嚙みついた瞬間」を撮影...…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「金の産出量」が多い国は?
  • 10
    イーロン・マスクがトランプ政権を離脱...「正直に言…
  • 1
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 2
    日本はもう「ゼロパンダ」でいいんじゃない? 和歌山、上野...中国返還のその先
  • 3
    脂肪は自宅で燃やせる...理学療法士が勧める「3つの運動」とは?
  • 4
    「2025年7月5日に隕石落下で大災害」は本当にあり得…
  • 5
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 6
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 7
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 8
    【クイズ】世界で2番目に「軍事費」が高い国は?...1…
  • 9
    3分ほどで死刑囚の胸が激しく上下し始め...日本人が…
  • 10
    部下に助言した時、返事が「分かりました」なら失敗…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中