最新記事
気候変動

世界最大の氷山、サウスジョージア島沖で座礁...生態系への影響は?

Mapped: World's Largest Iceberg Runs Aground Off South Georgia

2025年3月6日(木)14時30分
シェーン・クラウチャー ジョン・フェン

「A23a」座礁の生態系への影響...専門家たちの見解は?

英国南極調査局(BAS)の海洋学者であり、「OCEAN:ICE」プロジェクトの共同リーダーであるアンドリュー・マイヤーズ博士は、次のように述べた。

「今後どのような展開を見せるのか、非常に興味深い。科学的な観点からも、氷山が地域の生態系にどのような影響を与えるかを調査したい。座礁によって巻き上げられた栄養素や、氷山の融解による影響がペンギンやアザラシなどの生態系全体に食糧供給の面で貢献する可能性がある。我々は現在、大型氷山が海洋循環や化学組成、支えている生態系にどのような影響を及ぼすかについて、複数の研究を進めている」

また、英国の極地研究船「サー・デイビッド・アッテンボロー号」に乗船中の生物学者ヒュー・グリフィス教授はBBCの取材に対し、次のように語った。

「すべての氷山は、最終的に溶けて消えてしまう運命にある。A23aがここまで長く持ちこたえ、面積のわずか4分の1しか失っていないのは驚くべきことだ。もし氷がなければ、現在の海洋生態系は存在しなかっただろう。これらの生態系は世界で最も生産性の高いものの一つであり、シロナガスクジラのような地球最大の動物を支える役割を果たしている。」

科学者たちは引き続きA23a氷山の動向を監視し、その崩壊プロセスが地域の生態系にどのような影響を与えるのかを詳しく調査していく予定だ。

ニューズウィーク日本版 コメ高騰の真犯人
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年6月24日号(6月17日発売)は「コメ高騰の真犯人」特集。なぜコメの価格は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、パウエルFRB議長を再び非難 「利下げ

ワールド

ウクライナ、共同基金下での軍事支援巡り米と協議=副

ワールド

ロシア高官、米国にイラン攻撃の自制を要請 核惨事の

ビジネス

米新規失業保険申請24.5万件、予想と一致 一段の
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
メールアドレス

ご登録は会員規約に同意するものと見なします。

人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高にかっこいい」とネット絶賛 どんなヘアスタイルに?
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 5
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未…
  • 6
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 7
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 8
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 9
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中