最新記事
AI競争

中国発DeepSeekの戦略思考に、輸出規制一辺倒のアメリカは勝てるのか【トランプ2.0】

US Blows AI Lead in Race With China

2025年1月29日(水)16時07分
マイカ・マッカートニー

ディープシークの新モデルは、一般に公開されているアメリカのモデルと同等レベルであり、特定の分野では、オープンAIのGPT-4や人工知能スタートアップ「アンソロピック」のクロード・ソネット3.5などを上回っているとさえ言われている。

グラフィック半導体(GPU)市場を独占するメーカーのエヌビディアの株価は27日に17%急落し、時価総額5890億ドルが吹き飛んだ。1日の消失額としては過去最大だ。

この売りはニューヨーク証券市場に大きな影響を与え、ナスダック上場企業全体で時価総額が1兆ドル以上消失した。中国の技術躍進とそれがアメリカのテック産業支配に及ぼす潜在的脅威に投資家が反応したためだ。

ベンチャーキャピタリストのマーク・アンドリーセンは、Xへの投稿でDeepSeek-R1を「AIのスプートニク・モーメント」と呼んだ。スプートニクは1957年に打ち上げられたソビエトの衛星で、アメリカと旧ソ連の宇宙開発競争の幕開けを象徴する存在だ。

ディープシークAIを発案したのは、元ヘッジファンド・マネジャーで2023年にAI開発に転身した梁文峰。同社のフラッグシップ・モデルであるDeepSeek-R1は今年1月に発売され、瞬く間に米アップルのアップストアでチャットGPTを上回るダウンロード数を記録し、トップに躍り出た。

キャリア
AI時代の転職こそ「人」の力を──テクノロジーと専門性を備えたLHHのコンサルティング
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

「オレオ」のモンデリーズ、新AIツールでマーケティ

ワールド

トルコ裁判所、最大野党党首解任求める訴え棄却 株式

ワールド

ユーロ圏総合PMI、10月は17カ月ぶり高水準 サ

ワールド

フランス社会党、週明けに内閣不信任案提出も 富裕層
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
特集:脳寿命を延ばす20の習慣
2025年10月28日号(10/21発売)

高齢者医療専門家の和田秀樹医師が説く――脳の健康を保ち、認知症を予防する日々の行動と心がけ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 2
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼稚園をロシアが攻撃 「惨劇の様子」を捉えた映像が話題に
  • 3
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシアに続くのは意外な「あの国」!?
  • 4
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    「宇宙人の乗り物」が太陽系内に...? Xデーは10月2…
  • 7
    国立大卒業生の外資への就職、その背景にある日本の…
  • 8
    【ムカつく、落ち込む】感情に振り回されず、気楽に…
  • 9
    汚物をまき散らすトランプに『トップガン』のミュー…
  • 10
    為替は先が読みにくい?「ドル以外」に目を向けると…
  • 1
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 2
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号返上を表明」も消えない生々しすぎる「罪状」
  • 3
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多い県」はどこ?
  • 4
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 5
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 6
    【2025年最新版】世界航空戦力TOP3...アメリカ・ロシ…
  • 7
    報じられなかった中国人の「美談」
  • 8
    本当は「不健康な朝食」だった...専門家が警告する「…
  • 9
    「ママ、ママ...」泣き叫ぶ子供たち、ウクライナの幼…
  • 10
    ハーバードで白熱する楽天の社内公用語英語化をめぐ…
  • 1
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になりやすい人」が持ち歩く5つのアイテム
  • 2
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 3
    「大谷翔平の唯一の欠点は...」ドジャース・ロバーツ監督が明かすプレーオフ戦略、監督の意外な「日本的な一面」とは?
  • 4
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 5
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 6
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 7
    バフェット指数が異常値──アメリカ株に「数世代で最…
  • 8
    「日本の高齢化率は世界2位」→ダントツの1位は超意外…
  • 9
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
  • 10
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中