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アサド政権崩壊で、もうシリア難民に保護は不要?...強制送還を求める声に各国政府の反応は?

Do Syrian Refugees Still Exist?

2025年1月15日(水)14時17分
アンチャル・ボーラ(フォーリン・ポリシー誌コラムニスト)

一時帰国のチャンスを

ドイツの法律は移民に対し、国外退去処分に異議を唱える法的手段を提供している。だがユディトはドイツで永住権を持たないシリア人には、実用的な観点から別の選択肢を考えるよう勧めている。

「例えばきちんと就職したり、専門職や高資格者ならEUブルーカードを取得すれば定住資格を得られる可能性がある」


人権活動家は、欧州諸国はシリア人を強制送還するのではなく、希望する人には帰国を支援し、そのほかの人々は人的資源として国内に滞在させるべきだと主張する。

フランスの難民支援団体ラ・シマーデのジェラール・サディクは、欧州諸国はシリア人に対し、保護資格を維持したまま、いったん帰国して現地の状況を確認できるようにすべきだと語る。

「問題は、帰国できる状況にあるかどうかを確認するためにシリアにいったん渡っただけでも保護資格を失う可能性があることだ」と、サディクは言う。「帰国が可能ならば帰国させるべきであり、自分の家が残っていることを確認したいならそのチャンスを与えるべきだ」

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