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考古学

古代エジプト人の愛した「媚薬」の正体

Mysteries of a Cup

2025年1月9日(木)18時10分
アリストス・ジョージャウ(科学担当)

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ベス神の頭部をかたどったカップの残留物の成分が明らかに CASSIDY DELAMARTER

「ベス神のマグカップは、これまで具体的な用途が解明されていなかった。しかし今回の研究では最先端の技術を駆使して、この容器の用途と意味を解明できたと思う」

この容器の用途については従来から多くの仮説が立てられていた。だがいずれも古代エジプトの儀式に関する図像資料や伝承に基づく仮説であり、容器に残存する有機物の痕跡の検証はほとんど行われてこなかった。


プレスリリースでは論文の共同著者でタンパ美術館のギリシャ・ローマ部門キュレーターを務めるブランコ・バンオッペンが、「この容器で何を飲んでいたのか、その目的が日常的なものなのか宗教的なものなのか、あるいは何らかの魔術で使われていたのか。そこは分かっていなかった」と述べている。

今回の研究では容器の内側から採取したサンプルの化学的分析とDNA解析を行い、残留物の成分を調べた。結果、容器に入っていたのはプトレマイオス朝のエジプトで儀式に使われていたとみられる液状の混合物であることが明らかになった。

幸せな気分になる物質

検出された有機物の残滓にはペガヌム・ハルマラ(通称ハルメル。「シリアンルー」とも呼ばれる)という植物の痕跡が含まれていた。ハルメルは薬効および向精神作用を持つ植物で、種子に大量に含まれるハルミンとハルマリンというアルカロイドは幻覚症状を引き起こすことがある。

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