最新記事
米大統領選

「不安極限」迫る米大統領選、騒乱に身構える有権者たち

2024年11月5日(火)15時52分
グラフィックデザイナーを引退したジェニファー・ビュネックさん

11月4日、選挙直前になって有権者のストレスは極限に達している。劇的に異なる2人の候補が異なる米国の未来を掲げて対決する中で、選挙結果とそれに伴って起きる可能性がある騒動から身を守ろうとしているのが、今の有権者の姿だ。写真はグラフィックデザイナーを引退したジェニファー・ビュネックさん(68)。ペンシルベニア州ベルビューで2日撮影(2024年 ロイター/Gram Slattery)

5日に投票日が迫った米大統領選を巡り、東部激戦州のペンシルベニアで暮らす管理職のダニエル・トレニーさん(39)はあまりにも不安が高まったため、今年はクリスマスツリーを早めに設置し、家族の気持ちを和ませようと決めた。

トレニーさんが住むベルビューは、ペンシルベニアの中でも民主党候補のハリス副大統領と共和党候補のトランプ前大統領の両陣営とも特に重視するピッツバーグ郊外の選挙区で、住民たちは皆同じような心理状態だという。


 

既に期日前投票でハリス氏に入れたトレニーさんは「何とか不安を鎮めようと、気を紛らわせるために何でもそろえている。本当に一体どうなってしまうのだろうか」と語った。

グラフィックデザイナーを引退したジェニファー・ビュネックさん(68)は今回、トランプ氏に投票する考え。選挙前のとげとげしい雰囲気や、絶え間ない世論調査会社からの電話、選挙広告の洪水にはうんざりで、できるならそうした「雑音」を全て消してしまいたいと思っている。

土曜日だった2日は、菓子のレシピ本を読むことに大半の時間を費やして心の平穏を保った。「これまで一度も政治に入り込んだことはなかった。政治で気分が高揚した経験もない」とビュネックさんは話した。

選挙直前になって有権者のストレスは極限に達している。劇的に異なる2人の候補が異なる米国の未来を掲げて対決する中で、選挙結果とそれに伴って起きる可能性がある騒動から身を守ろうとしているのが、今の有権者の姿だ。

ビジネス
「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野紗季子が明かす「愛されるブランド」の作り方
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、米が中印関係改善を妨害と非難

ワールド

中国、TikTok売却でバランスの取れた解決策望む

ビジネス

SOMPO、農業総合研究所にTOB 1株767円で

ワールド

中国、米国の台湾への武器売却を批判 「戦争の脅威加
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 2
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足度100%の作品も、アジア作品が大躍進
  • 3
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...どこでも魚を養殖できる岡山理科大学の好適環境水
  • 4
    素粒子では「宇宙の根源」に迫れない...理論物理学者…
  • 5
    ジョンベネ・ラムジー殺害事件に新展開 父「これま…
  • 6
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 7
    ノルウェーの海岸で金属探知機が掘り当てた、1200年…
  • 8
    ゴキブリが大量発生、カニやロブスターが減少...観測…
  • 9
    「個人的な欲望」から誕生した大人気店の秘密...平野…
  • 10
    「時代劇を頼む」と言われた...岡田准一が語る、侍た…
  • 1
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 2
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 3
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開したAI生成のクリスマス広告に批判殺到
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 8
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 9
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 10
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリ…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中