「スマホ投稿」が暴露した秘密...台湾防衛が中国に筒抜けとなる理由

No Secrets in an Age of Social Media

2024年11月7日(木)13時30分
ポール・ホワン(台湾民意基金会の研究員)

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市民が投稿した海鋒大隊のミサイルの写真を報じるケーブルテレビの画面より。5月に撮影したとされ、場所も詳しく説明していた SHARED BY A LOCAL RESIDENT VIA TVBS

だがその後6月に中国最大のソーシャルメディアアプリ微信(ウェイシン)に、ある記事が載った。これは中国の防衛関連企業「北京藍徳信息科技」が投稿した記事で、一般公開されている。

記事が主に扱っているのは、地対艦ミサイルを運用する台湾軍の機動部隊が5月の演習時にどう動いたか。これらの機動部隊は「海鋒大隊」に所属している。


海鋒大隊は台湾製の亜音速ミサイル「雄風II型」と超音速ミサイル「雄風III型」を運用。台湾の海岸に押し寄せてくる中国の侵攻部隊を撃破する最終防衛を担うことになる。アメリカ製の対艦ミサイル・ハープーンも運用する予定だが、納入が遅れに遅れている。

問題の記事は、海鋒大隊の12の基地の地理的位置を正確に伝えている。恒久的なミサイル発射基地は敵に見つかりやすい。台湾軍も自軍の基地が中国軍に知られていることを想定して、機動部隊を使うことにしたのだ。機動部隊は台湾各地に散らばり中国軍の上陸部隊を壊滅させつつ、飛来するミサイルを巧みにかわして任務を全うするはずだ。少なくとも理論上は。

海鋒大隊所属の機動部隊は通常、3〜4台のミサイル発射台と護衛のための数台の支援車両で構成される。台湾島内を自在に動き回り、発射地点で素早く準備し、中国軍の艦隊にミサイルを撃ち込み、反撃されないうちにさっさとその場を去る。「シュート・アンド・スクート(撃って逃げる)」と呼ばれる戦術だ。

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