最新記事
ウクライナ情勢

北朝鮮派兵、NATOが確認 参戦なら米は兵器使用に新制限課さず

2024年10月29日(火)09時47分
NATOのルッテ事務総長

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は10月28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。16日、ブリュッセルで撮影(2024年 ロイター/Yves Herman)

北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は28日、ロシアに派兵された北朝鮮軍部隊がロシア・クルスク地域に配備されたことを確認したと明らかにした。米国防総省は、北朝鮮が戦闘に加わった場合、米国はウクライナによる米兵器の使用に新たな制限を課さないと発表した。

ルッテ氏は北朝鮮のロシア派兵に関し韓国政府の代表団から説明を受けた後、「ロシアと北朝鮮の軍事協力の深化は、インド太平洋および欧州大西洋地域の安全保障の両方にとり脅威」と述べた。

バイデン米大統領は、ウクライナの戦闘での北朝鮮軍部隊によるロシア支援は「非常に危険だ」と述べた。

米国防総省は北朝鮮軍兵士1万人が訓練のためロシア東部に派遣されていると推定。先週に発表した3000人から推定値を引き上げた。

同省のシン報道官は「兵士の一部は既にウクライナ近くにおり、ロシアがこれらの兵士を戦闘に投入したり、ウクライナ国境に近いロシアのクルスク州で戦闘作戦を支援したりする意図があるのではないかとの懸念が高まっている」と述べた。

ウクライナ軍情報局は先週、ロシアで訓練を受けた北朝鮮部隊の一部がクルスク州に既に配備されたとの見方を示した。

だが、シン報道官は「(北朝鮮部隊は)クルスク方面に進んでいる可能性が高い。しかし、今のところ詳細は分からない」と述べるにとどめ、確認を控えた。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、北朝鮮の派兵はロシアによる緊張激化だと非難した。

ウクライナのシビハ外相は、同国政府がここ数週間、北朝鮮の派兵を巡り警告していたものの、同盟国から強い反応はなかったと批判。Xへの投稿で「NATO事務総長はようやく確認した。ウクライナの声に耳を傾けることが肝心だ。ウクライナによる対ロシア長距離攻撃に対する制限を今すぐ解除することが解決策だ」と述べた。

ロシアのプーチン大統領は24日、北朝鮮がロシアに部隊を派遣していることを否定せず、北朝鮮とのパートナーシップ条約をどう運用するかはロシア次第だと述べた。

北朝鮮外務省関係者は、ロシアへの派兵に関する報道を確認しなかったが、そうした事実があるとすれば、国際的な規範に沿った行動だとの考えを示した。

ルッテ氏は北朝鮮の派兵について、ロシアのプーチン大統領の「絶望が高まっている」兆候だとも指摘し、「プーチンの戦争でロシア軍兵士60万人超が死傷しており、外国の支援なしにはウクライナへの攻撃を継続することはできない」という認識を示した。

ウクライナのイェルマーク大統領首席補佐官は、制裁のみでは北朝鮮の関与に対する十分な対応にはならないと強調。「北朝鮮の関与拡大を防ぐための武器と明確な計画」が必要だと訴えた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 トランプの大誤算
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年4月14号(4月7日発売)は「トランプの大誤算」特集。国民向け演説は「フェイク」の繰り返し。泥沼化するイラン攻撃の出口は見えない

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


地方自治体
人口減の自治体を救う「小さな浄水場」──誰もが常に安心な水にアクセスできる社会の実現へ
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

イラン戦争、インフレと金利上昇招く可能性 JPモル

ワールド

イラン外務省報道官、停戦案への回答を仲介国に伝達

ワールド

アングル:イランはホルムズ海峡封鎖解除せずと米情報

ワールド

中東情勢の影響読み切れず、足元の景気・賃上げには手
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 2
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐせ・ワースト1
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙の2大テーマでAI懸念を払拭できるか
  • 4
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 5
    地面にくねくねと伸びる「奇妙な筋」の正体は? 飛行…
  • 6
    トランプ、イランに合意期限「米東部時間6日午前10時…
  • 7
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始め…
  • 8
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引…
  • 9
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 10
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で一躍脚光の「NEC」 防衛・宇宙…
  • 8
    中国がイラン戦争最大の被害者? 習近平の誤った経…
  • 9
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 10
    「高市しぐさ」の問題は「媚び」だけか?...異形の「…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中