最新記事
地上侵攻

イスラエル軍、レバノンに地上侵攻 ヒズボラ拠点に「限定的」作戦

2024年10月1日(火)11時05分
イスラエル軍の攻撃を受けてベイルート南郊から立ち上る煙

10月1日、イスラエル軍はレバノン南部国境地帯のヒズボラ拠点に対する限定的かつ標的を絞った地上作戦を開始したと発表した。写真は同日、攻撃を受けてベイルート南郊から立ち上る煙(2024年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)

イスラエル軍は1日未明、レバノン南部国境地帯にあるイスラム教シーア派組織ヒズボラの拠点に対する限定的な地上作戦を開始したと発表した。

軍は声明で、攻撃目標は国境に近い村落にあり、イスラエル北部の地域社会への差し迫った脅威になっているヒズボラの拠点に「正確な情報に基づく限定的で局所的かつ標的を絞った地上攻撃」を始めたと明かした。空軍と国防軍砲兵部隊が地上軍を支援しているという。

レバノン国境の町アイタ・アル・シャアブの住民によると、激しい砲撃、ヘリコプター、ドローン(無人機)の音が聞こえたという。

イスラエルのガラント国防相は先月30日、「ヒズボラに対する戦争の次の段階が間もなく始まる」と述べ、地上侵攻の可能性を示唆していた。

イスラエルはこの2週間、親イラン組織であるヒズボラへの攻撃を強化しており、28日の空爆により最高指導者ナスララ師が死亡するなど大きな打撃を与えている。

レバノン政府によると、これまでに約1000人の民間人が死亡し、100万人が家を追われたという。

ヒズボラのナンバー2、ナイム・カセム氏は30日、ナスララ師の死後初めて公の場で演説し、イスラエルが地上侵攻に踏み切った場合、対抗する準備ができていると表明。イスラエル領内150キロまでロケット弾攻撃を続けていると述べた。

一方、レバノン治安筋によると、レバノン軍は30日、南部国境沿いから5キロ後退した。

ホワイトハウスと米国務省は、イスラエルの地上作戦に関するコメント要請に応じていない。

バイデン米大統領は30日、イスラエルによるヒズボラへの軍事作戦について「彼らが停止すれば私は満足だ」と述べ、自制を促した。「今すぐ停戦すべきだ」との考えも改めて示した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

AI関連株高、ITバブル再来とみなさず =ジェファ

ワールド

プーチン氏、米国のウクライナ和平案を受領 「平和実

ビジネス

FRB、12月利下げ巡り温度差 NY連銀総裁は含み

ビジネス

8月米卸売在庫横ばい、自動車などの耐久財が増加
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 2
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やってはいけない「3つの行動」とは?【国際研究チーム】
  • 3
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体制で世界の海洋秩序を塗り替えられる?
  • 4
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 5
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 6
    ロシアのウクライナ侵攻、「地球規模の被害」を生ん…
  • 7
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベー…
  • 8
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ…
  • 9
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 6
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 7
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 8
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 9
    「ゲームそのまま...」実写版『ゼルダの伝説』の撮影…
  • 10
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 7
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中