最新記事
誤爆

ガザ支援団体7人死亡、イスラエルが空爆認める 米英は調査要求

2024年4月3日(水)10時31分
ロイター

イスラエルのネタニヤフ首相は4月2日、パレスチナ自治区ガザで支援団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」のスタッフ7人が死亡したことを巡り、軍が空爆で誤って殺害したと明らかにした。写真はWCKスタッフの遺体を運ぶ救急隊員ら。提供写真(2024年 ロイター)

イスラエルのネタニヤフ首相は2日、パレスチナ自治区ガザで支援団体「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」のスタッフ7人が死亡したことを巡り、軍が空爆で誤って殺害したと明らかにした。

イスラエル軍は「心からの遺憾の意」を表明。国際社会からはガザの人道状況改善に向けた措置を求める声が強まっている。

WCKによると、スタッフらは同団体のロゴが入った2台の装甲車ともう1台の車で移動していた。イスラエル軍と動きを調整していたという。

ネタニヤフ氏はビデオ声明で「残念ながらガザ地区でイスラエル軍が非戦闘員に意図せず危害を加えるという悲劇的な出来事があった」とした上で「戦争ではこうしたことが起こる。われわれは徹底した調査を行っており、各国政府と連絡を取っている。再発防止に全力を尽くす」と述べた。

イスラエル軍は独立した専門家による調査を約束した。

スナク英首相は2日、ネタニヤフ氏との電話で、英国人3人を含む支援団体メンバーの死亡にがくぜんとしていると述べ、徹底的で透明性のある調査を行うよう求めた。

オーストラリアのアルバニージー首相は、ネタニヤフ氏に電話で「憤りと懸念」を伝えたと明らかにした。

米国はイスラエルが意図的に人道援助スタッフを標的にした証拠はないとしつつも、彼らの死に憤りを感じているとし、イスラエルはガザで援助スタッフに危害が及ばないようにする義務があると述べた。

ホワイトハウスによると、バイデン大統領はWCKの創設者であるスペイン出身の著名シェフ、ホセ・アンドレ氏に電話し哀悼の意を伝えた。同時に、支援活動に従事する人々を保護する必要性をイスラエル側に明確に示す考えを伝えたという。

国連のドゥジャリク報道官は、人道的な即時停戦を改めて呼びかけた。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 世界が尊敬する日本のCEO
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年7月1日号(6月24日発売)は「世界が尊敬する日本のCEO」特集。不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者……その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

日本のM&A、上期34兆円で過去最高 トヨタグルー

ビジネス

世界のエネルギー部門CO2排出量、4年連続で過去最

ビジネス

ネスレ米法人、合成着色料の使用停止へ 26年半ばま

ビジネス

製菓マースのケラノバ買収、米独禁当局が承認 EUは
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本のCEO
特集:世界が尊敬する日本のCEO
2025年7月 1日号(6/24発売)

不屈のIT投資家、観光ニッポンの牽引役、アパレルの覇者......その哲学と発想と行動力で輝く日本の経営者たち

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係・仕事で後悔しないために
  • 3
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々と撤退へ
  • 4
    人口世界一のインドに迫る少子高齢化の波、学校閉鎖…
  • 5
    サブリナ・カーペンター、扇情的な衣装で「男性に奉…
  • 6
    【クイズ】北大で国内初確認か...世界で最も危険な植…
  • 7
    「子どもが花嫁にされそうに...」ディズニーランド・…
  • 8
    都議選千代田区選挙区を制した「ユーチューバー」佐…
  • 9
    韓国が「養子輸出大国だった」という不都合すぎる事…
  • 10
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 1
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 2
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測不能な大型動物」に近づく幼児連れ 「ショッキング」と映像が話題に
  • 3
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の「緊迫映像」
  • 4
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 5
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
  • 6
    「小麦はもう利益を生まない」アメリカで農家が次々…
  • 7
    飛行機内で「最悪の行為」をしている女性客...「あり…
  • 8
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越し…
  • 9
    定年後に「やらなくていいこと」5選──お金・人間関係…
  • 10
    「アメリカにディズニー旅行」は夢のまた夢?...ディ…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    「コーヒーを吹き出すかと...」ディズニーランドの朝食が「高額すぎる」とSNSで大炎上、その「衝撃の値段」とは?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    「あまりに愚か...」国立公園で注意を無視して「予測…
  • 5
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 6
    妊娠8カ月の女性を襲ったワニ...妊婦が消えた川辺の…
  • 7
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 8
    10歳少女がサメに襲われ、手をほぼ食いちぎられる事…
  • 9
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 10
    JA・卸売業者が黒幕説は「完全な誤解」...進次郎の「…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中